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工場夜景、障害者や高齢者でも 川崎で事業化進む

社会 神奈川新聞  2015年01月06日 12:00

スロープを備え、車いすで乗り降りできるUDタクシー
スロープを備え、車いすで乗り降りできるUDタクシー

障害者や高齢者も安心して利用できる「ユニバーサルデザイン(UD)タクシー」を使った工場夜景ツアーの事業化に向けた動きが、川崎市内で進んでいる。人気観光スポットをより多くの人に満喫してもらおうと、川崎タクシー(川崎区)と市観光協会がタッグを組んでコースや料金などを検証。2020年東京五輪・パラリンピックに向け、バリアフリー観光の新メニューとして話題を呼びそうだ。

パイプラインやプラントの光が夜空に浮かび上がる工場夜景。観光バスや運河クルーズで幻想的な景色を眺めるツアーが人気を博す中、新たな観光ツールとして名乗りを上げたのは、車いすのまま乗車可能なUDタクシーだ。

ツアーは2時間ほどで、川崎区内の臨海部を中心に夜景スポットを回るコースを想定。自由に乗り降りできルート変更も可能で、料金は1台9470円(税込み)。乗車定員は4人で、車いすを利用する場合は3人。高速道路の通行料や駐車料金が別途かかるほか、有料で夜景ガイドも同乗させられる。

体が不自由な人の外出をサポートするとともに、東京五輪に向けた川崎の観光PRにもつなげようと、今回のプロジェクトが持ち上がった。多摩川を挟んで羽田空港と川崎側をつなぐ「羽田連絡道路」計画で、川崎エリアに多くの観光客が訪れることも予想され、ホスピタリティー産業の育成にもつながりそうだ。

市が超高齢社会の課題を産業の力で解決するために昨年創設した「ウェルフェアイノベーションフォーラム」の枠組みを活用し、同社と工場夜景を地域の観光資源として売り出してきた市観光協会が協力。市は実証実験の委託費用面などでバックアップする。

4月の本格導入に向け、2月から3月末まで約30回運行実験を行い、利用者アンケートを実施。コース設定や料金、接客などについて意見を集める。

手すりや段差を緩和するステップ、車いす用のスロープなどが備え付けられたUDタクシー。同社は1999年に県内で初めてUDタクシーを導入した。当初は利用が伸び悩んだが、市がJR川崎駅や武蔵小杉駅にUDタクシー対応乗り場を設置し、車両購入費の一部補助制度を創設。県タクシー協会も普及への取り組みを進め、徐々に認知度が高まっている。

同社本社営業所の清家忠義所長は「ルートや乗降場所を個別にオーダーできるのがタクシーのメリット。外出が限られがちな人に安心して観光を楽しんでもらいたい。乗務員の接客レベルの向上にもつなげ、業界全体で取り組んでいきたい」と話している。

ツアーなどの問い合わせは同社電話044(244)7222。

【神奈川新聞】


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