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【社説】展望2015 川崎市政 助走終え問われる成果

政治行政 神奈川新聞  2015年01月05日 11:47

福田紀彦市長が市長に就任し、今秋で丸2年を迎える。助走期間の1年目から、本格的に実績や市政運営への手腕が問われる年となる。

1年目は中学校給食導入や地域の寺子屋事業、区民車座集会など市長選で掲げた公約に着実に着手した。今年まず試されるのが、福田市政の最重点課題としている4月時点の保育所の待機児童解消だ。昨年は認可園の受け入れ枠の拡大や認定園の保育料補助などで438人から62人まで減らした。保育の質の確保はもちろんだが、「ゼロ」という市民との約束を果たし、成果を残すことが求められよう。

公約以外では、京浜臨海部の動きが活発だ。国際戦略総合特区に加え、昨年は国家戦略特区にも指定された。これに伴い、長年の懸案だった多摩川を挟んだ大田区側と川崎市を結ぶ羽田連絡道路の新設に加え、国道357号の整備も決まった。だが、市の財政負担は大きい。国際競争力の強化といった「お題目」が市民のメリットにどうつながるのか、分かりやすい説明が必要だ。

道路が整備される予定の川崎区殿町3丁目地区では、中核施設と位置付けられる「ものづくりナノ医療イノベーションセンター(iCON)」が4月から運営を開始。ナノ技術による難治性がんやアルツハイマー病などへの治療や創薬を目指す。今後、日本をけん引する「川崎発」の新産業創出に向け、さらなる産学官の連携が求められよう。

燃料電池車で注目の水素エネルギーへの取り組みも積極的だ。太陽光でつくった水素を燃料とし、電力を供給する自立型システムの実証実験を東芝と共同で4月から始める。公害を克服した川崎らしい再生可能エネルギー普及のあり方を示したい。

また、自治体間連携も福田市政のキーワードになりつつある。大田区や世田谷区と包括的な連携協定を締結。特に国産木材利用促進を柱にする宮崎県との連携は、大都市と地方都市による新たなモデルケースに育つ可能性があり期待したい。

来年3月までにまとめる新たな総合計画と行財政改革計画の策定作業も本格化する。両計画は、ここまでに挙げた施策や事業も含め、川崎市の目指すべき方向性や取り組みを示すことになる。少子高齢化や厳しい財政状況下で知恵を絞り、福田市長の言う「最幸のまち」実現へのロードマップを示してほしい。

【神奈川新聞】


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