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【社説】展望2015 県政 問われる黒岩知事4年

政治行政 神奈川新聞  2015年01月03日 10:46

県政運営のかじ取り役を決める県知事選が4月に行われる。900万人の県民が暮らす神奈川の針路をどうとるか。前哨戦も含め政策論争を深める機会にしたい。

知事選を展望すれば、焦点は黒岩祐治知事1期目の評価となることは言うまでもない。知事本人はまだ意思を明らかにしていないが、再選出馬は確実視されている。

黒岩知事は就任以来、急速に進む高齢化で財政需要が膨らみ経済活動が鈍化する危機感から、持続可能な神奈川モデルをつくることに主眼を置いてきた。キャスター出身らしく未来像を雄弁に語りながら、医療・健康分野の新産業創出や「未病を治す」という県民の健康長寿化といった政策に着手した。

例えば、持論だった准看護師の養成停止を決定にこぎ着け、看護師養成に力を入れる姿勢を印象づけた。新産業育成のためにライフイノベーション、ロボットの二つの特区に加え、安倍政権肝いりの国家戦略特区の指定も勝ち取った。ジャーナリスト時代から培ってきた医療や経済分野での見識や人脈を生かし、果敢に種をまいてきたといえる。

首長に求められるのは政策目標設定力と政策遂行力とされる。その意味では超高齢社会の「コスト」を成長戦略や地域活性化に転化させようとする政策目標は正鵠(せいこく)を得たものだろう。しかし個々の事業や施策を見ると、知事の意気込みばかりが先行している印象の取り組みもある。

「4年間で太陽光パネル200万戸設置」という一点突破の選挙公約を事実上撤回したのは典型だろう。「医療革命を起こす」と言ったマイカルテ構想はお薬手帳の電子化実験に尻すぼみし、広がりを欠く。

黒岩構想の加速が期待された国家戦略特区にしても、昨年12月の東京圏計画に盛り込まれた県事業はわずかにとどまり、国際的医療人材を養成する「メディカル・スクール」は構想の輪郭さえ見えてこない。

県財政は最悪期から脱したとはいえ、人件費や医療費などの義務的経費は歳出全体の8割を占め、政策選択の幅は限られる。だからこそ県の権限で実現可能か、県費を投じただけの効果があるか、など政策遂行プロセスの妥当性は常に厳しい検証が求められる。

黒岩県政の4年をしっかり点検した上で、明日の県政につなげていく知事選にしなければならない。

【神奈川新聞】


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