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山下ふ頭へ海底トンネル 横浜市が工法検討計画から30年余り

政治行政 神奈川新聞  2016年12月10日 02:00

 横浜臨海部の新たなにぎわい拠点として再開発が始まる山下ふ頭(横浜市中区、約47ヘクタール)を、横浜・みなとみらい21(MM21)地区とトンネルで結ぶ臨港幹線道路の建設プロジェクトが動きだす。1982年の計画策定から30年余り。同ふ頭の再開発が進み始めたことを受け、この秋には工法の選定に着手。開通への道筋がつくことになった。


山下ふ頭へ海底トンネルが整備される臨港幹線道路=横浜市中区新港
山下ふ頭へ海底トンネルが整備される臨港幹線道路=横浜市中区新港

 新たに整備される区間は片側2車線で、MM21新港地区(中区)から山下公園前の海底を通り、同ふ頭に抜ける延長約1・5キロ。横浜赤レンガ倉庫や大さん橋ふ頭の地下を通る。2015年に山下ふ頭開発基本計画が策定されるまで、事業化は手つかずのままだった。

 臨港幹線道路は恵比須町(神奈川区)-本牧ふ頭(中区)の約10・5キロを結ぶ計画で、瑞穂地区(神奈川区)-MM21新港地区(約3・2キロ)は既に開通している。新たな区間はMM21地区で13年に開通した国際大通りの「みなとみらいトンネル」(約1・3キロ)と接続し、山下ふ頭への交通アクセスが向上する。

 市は10月、事業化に必要となる施工方法や作業工程の検討を東京都内の建設コンサルタント会社に業務委託。17年3月末までに工法などを決め、工事費の概算を算出した上で国と連携しながら早い段階で着工したい考え。工法は、筒状の大型掘削機械で地中を掘り進むシールド工法か、巨大な管を沈めて地中で連結する沈埋(ちんまい)工法のいずれかを採用する。

 市などによると、沈埋工法は軟弱地盤でも周辺の地盤に影響を与えずに施工できるメリットがある一方、山下公園前で係留・保存している日本郵船氷川丸の真下にトンネルが通ることから、氷川丸に何らかの影響を及ぼしかねないとの指摘もあり、検討を慎重に進めている。



周辺再開発に弾み



 山下ふ頭の入り口は現在1カ所しかなく、横浜市内屈指の集客数を誇る横浜中華街や元町に近いことから、再開発エリアの開業には交通渋滞の解消が課題とされてきた。

 市は2015年、同ふ頭に新たな道路網を設けるとともに交通ターミナルの新設を盛り込んだ開発基本計画を策定。併せて横浜港港湾計画を変更し、横浜・みなとみらい21(MM21)地区と結ぶ臨港幹線道路を交通ターミナルに接続するルート案に見直していた。

 同ふ頭には、横浜のシンボルとなる大規模集客施設として、カジノを含む統合型リゾート施設(IR)の立地構想が取り沙汰されている。トンネルの開通でMM21地区の宿泊施設やパシフィコ横浜などと連携しやすくなり、観光・MICE(国際会議、展示会などの総称)誘致で補完し合うとの期待も寄せられている。

 山下ふ頭では一部先行開発後、残る約34ヘクタールのエリアでは倉庫などがしばらくの間、操業を続ける。市は、交通渋滞で物流機能に支障が出る恐れがあるとして、未整備となっている山下ふ頭-本牧ふ頭A突堤(約1・0キロ)の臨港幹線道路の早期実現を国に求めている。


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