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【社説】子ども貧困対策法1年 夢抱ける現実的支援を

社会 神奈川新聞  2014年12月30日 11:56

子どもの貧困対策推進法の施行から、間もなく1年を迎える。生まれ育った環境によって子どもの将来が左右されないよう、そして貧困が世代を超えて連鎖することのないよう、必要な環境整備と教育の機会均等を図るという目的の下、ことし1月に施行された。8月には国が基本方針の大綱をまとめたが、果たして進展はあっただろうか。

厚生労働省が7月に発表した国民生活基礎調査では、平均的所得の半分を下回る世帯で暮らす18歳未満の割合を示す「子どもの貧困率」が、2012年に16・3%と過去最悪を更新した。6人に1人の子どもが、社会において当たり前とされる生活を営むことができずにいる。

母子世帯が増え、働く母親の多くが非正規雇用であることも影響しているとされる。その率は経済協力開発機構(OECD)加盟34カ国の平均を上回っており、先進国の中でも日本は社会的格差が大きいという現実を、深刻に捉えるべきだ。

児童養護施設を巣立つ子どもたちの自立を支援する認定NPO法人ブリッジフォースマイル(東京都)が、全国の施設で暮らす高校生を対象に行ったアンケートによると、卒業後の進路について、「希望する進路」では進学が36・2%だったが、「予想する進路」になると、進学は27・9%に落ち込んだ。希望と予想の進路の違いについての自由記述では、「学費が厳しい」という意見が多かった。

学年が上がると、進路の「希望」も「予想」も「就職」が増えていく。18歳で退所した後、生活費と学費を自分で工面しなければならない子どもたちは、現実と向き合うにつれて「進学」の選択が難しくなる。一般高校生の大学進学率(短大・専門学校含む)が約7割に上る状況を踏まえれば、子どもが置かれた環境によって、希望にも格差が生まれていると言わざるを得ない。

大綱では、貧困の連鎖を防ぐために教育支援を重点施策の一つに掲げ、大学も含めて進学に対する教育機会の提供を図るとしている。奨学金制度の充実など、どんな境遇にあっても道は開けていると、希望を抱けるような現実的支援が必要だ。

子どもたちの夢に格差があってはならない。来年はこの法律が効果をもたらし、1人でも多くの子どもが、希望に向かって進むことのできる年でありたい。

【神奈川新聞】


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