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【社説】全国テスト公表 学力向上考える機会に

社会 神奈川新聞  2014年12月20日 12:13

ことし4月に実施された全国学力・学習状況調査(全国学力テスト、小6・中3対象)の結果について、県内の全33市町村が、それぞれ自治体別の成績を公表もしくは公表予定であることが分かった。県内の市町村単位ですべて公表されるのは今回が初めてのことだ。

本年度から都道府県教委は市町村教委の同意があれば、自治体ごとの成績を公表できる仕組みになった。本県では県教委として一律公表は行わず、市町村教委単位で公表した。

公表方法は、平均正答率を公表する自治体もあれば、分析記述にとどめる自治体もある。県内には中学校が1校しかない自治体もあり、県教委は「自治体の意向を尊重し、地域の実情に合わせて公表方法を判断してもらうのが適切と考えた」と説明している。

全国では、市区町村単位での成績公表も6割弱にとどまった。本県は県教委の働き掛けもあり、各自治体が比較的積極的に説明責任を果たそうとした姿勢がうかがえる。

学校別の成績を公表できるのはこれまで学校のみだったが、今回から市区町村教委による公表も可能になった。しかし全国の1756市区町村教委のうち、学校ごとの平均正答率を公表したのは32教委と全体の1・8%、平均正答率を示さない分析記述などによる公表を含めても、6・5%にとどまった。

県内でも学校別の成績公表は5市町教委にとどまる見込みだ。このうち海老名市教委では、当初は教育長が学校別の成績を公表したい考えを表明していたが、校長会などとの協議の結果、市全体のみ平均正答率を公表し、学校別の成績は分析記述にとどめた経緯がある。

学校別の成績公表については専門家の間にも賛否両論がある。学校のランク付けなど、過度の競争は望ましくはない。一方で、自治体や学校の子どもの状況を伝え、保護者や地域住民から理解や協力を得るための材料になる。

全国学力テストの目的は、義務教育の機会均等とその水準の維持向上の観点から、教育施策の成果と課題を検証し、学校教育における指導の充実や学習状況の改善等に役立てることにある。

公表方法も含めて、地域の子どもたちの学力向上にこのテストをどう生かすのがよいか、多様な議論を交わす機会にしたい。

【神奈川新聞】


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