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【社説】温室ガス削減目標 議論深め早期に提示を

社会 神奈川新聞  2014年12月17日 11:00

ペルーで開かれていた国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP20)が閉幕した。日本は温室効果ガスの削減目標を示せず、先進国の中で対応の遅れが目立った。

COP20で各国は、京都議定書に代わる2020年以降の温暖化対策の新たな枠組みについて協議していた。枠組みづくりで主導権を握ろうと、既に欧州や米国、中国も目標を掲げていた。

このままでは、日本は温暖化対策の国際的な動きから取り残されかねない。責任を果たすためにも、国内での議論を深め、早急に新目標を練り上げる必要があろう。

欧州連合(EU)は2030年までに温室効果ガスを1990年比で40%削減する目標を掲げている。

温室効果ガスの二大排出国となっている中国と米国も具体的な数字を示した。中国は遅くとも30年をピークに減少させるとし、米国も25年までに05年比で26~28%削減すると表明している。

ところが、日本は同会議の閣僚級会合で途上国への支援策を強調するばかりだった。国内の削減目標については「できるだけ早期に提出する」と説明するにとどまった。

国連の気候変動に関する政府間パネル(IPCC)が先月公表した報告書は、世界のリーダーに対し、温暖化防止をこれ以上先延ばしすることのないよう警告した。さらに、今世紀末までに温室効果ガスの排出量をほぼゼロにする必要があると指摘している。

対策を強化しなければ、今世紀末には20世紀末に比べ平均気温は最大4・8度、海面水位は最大82センチ上昇すると予測される。農業や漁業にも深刻な影響が及ぶだろう。水や食料不足、水害、感染症拡大も懸念される。地球の未来を考えれば、温暖化対策の強化は待ったなしだ。

原発に依存しなければならないという安易な考えは絶対に避けたい。EUは風力など再生可能エネルギーの利用を増加させる義務的な目標を掲げた。

水素で走る燃料電池車など、優れた環境技術が日本にはある。むしろ東電福島第1原発事故の教訓を踏まえた上で削減案を練り上げ、世界に示すことこそ日本の責務と言えるのではないだろうか。

先進国の一員として、地球の未来に責任を果たす態度を明確に示さなければならない。

【神奈川新聞】


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