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「10年来の悲願」 多摩・長尾台~久地・登戸駅つなぐバスが本格運行

社会 神奈川新聞  2014年12月17日 03:00

本格運行開始を記念した出発式イベント=13日、川崎市多摩区のあじさい寺
本格運行開始を記念した出発式イベント=13日、川崎市多摩区のあじさい寺

川崎市多摩区の長尾台地区と、JR南武線の久地、登戸両駅を結ぶコミュニティーバス「あじさい号」が本格運行を開始した。高齢化が進む丘陵地の住宅街に身近な交通手段を求めて、住民主体で運行実験などを実施。「十年来の悲願」(地元関係者)がかなった上、新たな交流の花も咲かせている。

コミュニティーバスの本格運行は、麻生区高石地区に続き市内2例目。1960年代に開発されたという長尾台地区は、最寄りの久地駅から1~2キロほどの距離だが、高低差は約50メートルある。徒歩で急坂を往来するには高齢者らの負担が大きく、バス運行を求める声が以前から強かった。

2008年には地域住民らが主体となり、「長尾台コミュニティ交通導入推進協議会」(児井正臣会長)が発足。地元の貸し切りバス会社を事業者として、運行ルートやダイヤなどを練り上げた。11年の運行実験に続き、昨年7月から3カ月間、試行運行も実施。採算面などの課題と向き合い、このほど国の路線認可を受けた。

本格運行に向けて市の支援制度を活用。新車のマイクロバス(定員28人)の購入費約1千万円が補助されたほか、市所有の予備車両も無償貸与される。70歳以上の高齢者、障害者の運賃を市内の路線バスと同じ100円引きとし、市が事業者へ補助する。

事業者は1台のバスを効率よく活用。あじさい寺(妙楽寺、多摩区長尾3丁目)を拠点に、久地駅行き(平日22往復、土曜7往復)と登戸駅行き(平日11往復、土曜7往復)の2路線をカバーする。路線内には発着点を除き5カ所の停留所も設けた。日曜、祝日は運休。市交通政策室によると、1便当たり5人の乗客を見込んでいる。

13日にはあじさい寺で出発式イベントを実施。構想段階から携わってきた児井会長は、「乗客はみんな、よかったと言ってくれている」と感慨深い様子。「利便性の向上はもちろんだが、バスの車内が住民同士の新たなコミュニティーの場になっている」とのメリットも話していた。

【神奈川新聞】


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