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小笠原・サンゴ密漁 中国人船長起訴内容認める

社会 神奈川新聞  2014年12月17日 03:00

小笠原諸島(東京)周辺海域でアカサンゴを密漁したとして、外国人漁業規制法違反(領海内操業)の罪に問われた住所不定、中国籍の船長許益忠被告(39)の初公判が16日、横浜地裁(成川洋司裁判長)で開かれ、許被告は起訴内容を認めた。

小笠原諸島近海でのサンゴ密漁問題で公判が開かれたのは初めて。

検察側は冒頭陳述で、被告は以前にも尖閣諸島(沖縄)周辺でサンゴ漁を行ったことがあり、今回は「リン社長」と名乗る人物から「給料を2倍にするから父島でサンゴ漁をやれ」と言われ、報酬目当てで犯行に及んだと指摘。自ら集めた乗組員10人とともに出航し、海保の監視が打ち切られたのを見計らって領海内でサンゴ漁を行ったことを明らかにした。

また、被告が採ったサンゴは日本国内で1キロ当たり約660万円、小さいものでも同約25万円に上ると説明。今年9月下旬ごろから、被告を含む多数の中国漁船が領海内でサンゴ漁を行ったことで、小笠原諸島の島民の生活が脅かされたほか、環境破壊や漁獲量減少に対する懸念が生じたと主張した。

起訴状によると、同被告は10月5日、小笠原諸島の父島から7・7カイリ(約14キロ)の領海内で、サンゴ漁具を使って漁業を操業した、とされる。

次回の公判では被告人質問のほか、小笠原村の森下一男村長が証人出廷し、生活を脅かされた島民の不安などを証言する予定。弁護人は証人の採用について「関連性がなく、不当な予断を与える」として異議を申し立てたが、棄却された。

◇一斉摘発後は船影なし

小笠原諸島(東京)の周辺海域などにアカサンゴの密漁船とみられる中国漁船が押し寄せていた問題で、横浜海上保安部はこれまでに中国漁船の船長計9人を外国人漁業規制法違反(領海内操業)容疑などで逮捕した。このうち許益忠被告ら3人が同法違反罪で起訴されている。

第3管区海上保安本部(横浜)によると、密漁船は9月中旬から姿を見せ始め、10月下旬には200隻を超えるほど殺到。巡視船や航空機による警戒と取り締まりを強化し、他管区の巡視船の応援も得て一斉摘発に乗り出していた。

法整備も異例のスピードで進んだ。抑止力強化のための改正外国人漁業規制法と改正漁業主権法は衆院解散直前の11月18日に提出され、19日に成立。今月7日に施行された。違法操業で400万円、排他的経済水域(EEZ)での無許可操業で1千万円だった罰金の上限額はそれぞれ3千万円に引き上げられ、立ち入り検査拒否の罰金も従来の10倍となる300万円とされた。

現在、領海とEEZで違法操業している船影は確認されていないといい、3管本部は「罰則の強化や外交ルートでの交渉に加え、取り締まりを強化した成果」と強調。「今後も万全の体制で警戒を続けていきたい」としている。

【神奈川新聞】


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