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エース君臨 大久保、2年連続得点王(下)新天地の相棒・中村憲剛

スポーツ 神奈川新聞  2014年12月09日 12:46

来季チームでのタイトル獲得を目指す川崎・大久保 =8月30日、名古屋戦
来季チームでのタイトル獲得を目指す川崎・大久保 =8月30日、名古屋戦

J1川崎のFW大久保嘉人(32)の復活は、リーグ屈指のパサーであるMF中村憲剛(34)の存在を抜きにして語ることはできない。「今のJリーグでは他にはいない」。大久保は新天地での相棒をそう評す。

9月23日の大宮戦(NACK5)。自身10年ぶりのハットトリックを決めた会心のゲームは象徴的だった。

前半21分だった。センターサークル付近でボールを受けた中村は、大久保が相手DFの裏に抜け出す動きを見逃さなかった。

体勢を崩しながらもピッチ中央を切り裂くような鮮やかなスルーパスが通る。「あのタイミングで出てくるとは思わなかった」。こう驚くほどのアシストで大久保は楽々と先制。さらに後半34分にも中村のパスからこの日、3点目となるゴールをたたき込んだ。

「気の利いたパスを出してくれる。楽しい」。そう言って大久保が笑えば、中村の表情もにこやかだ。「うまいし頭もいい。何より俺自身が嘉人がいなくなると面白くない。ここまでやってて楽しい選手はそうそういない」。背番号14も頼もしき点取り屋への賛辞を惜しまない。

とはいえ、絶好調だった昨季と比べて今季は苦しいシーズンだった。

前半はアジア・チャンピオンズリーグ(ACL)とリーグ戦を並行して戦い、6月のワールドカップ(W杯)ブラジル大会を終えると、リーグ戦に天皇杯全日本選手権、ヤマザキナビスコ・カップとフル稼働した。

2010年のW杯南アフリカ大会後に疲労した状態から抜け出せないオーバートレーニング症候群に陥ったが、今回のW杯後も「それに近い感じだった」と明かす。日本中の期待を背負った重圧は肉体に負荷をかけ、両もも裏は肉離れに近い状態だったという。

8月上旬には原因不明の体調不良に陥り、10月上旬には右耳の中耳炎を患った。一時は「ボールを蹴る音が聞こえない」ほど聴力が低下し、ボールキープ時のバランスが取れず、本来のプレーができずに苦しんだ。

それでも、ピッチに立たなかったのは今季34試合のうち出場停止の2試合だけだった。「試合でも練習でも俺は点を取りたい。得点王を狙ってますから」。強い意志が支えていた。

神戸との今季最終戦。試合序盤、後に左手中指骨折と判明するけがを負いながら、2年連続の偉業を決定づける2点を奪った。それこそハートの強さの表れだった。

新天地で復活を遂げたストライカーに、相棒はさらなる期待をかける。

「3年目はもっといくと思う。嘉人は闘争心があるし、(点を取るための)いろいろな引き出しがある。(連係は)やればやるほどというのはある。来年はもっとやらないといけない」。中村は来シーズンを楽しみにしながらも、コンビネーションの成熟する先にあるものを見据える。

もちろん背番号13もそのつもりだ。「3年連続? 狙うことは狙いますよ」。そして続けた。

「2年連続で取ったから(チームの)タイトルが欲しい。今季はいろいろと分かったシーズン。いいときもあったし、どん底まで落ちて何もできなかったり…。そこを安定させるようにキャンプからやっていって、手ごわいなと思われるようなチームになりたい。やっぱりチャンピオンになるチームは手ごわいし、そういうチームになりたい」

貪欲に、がむしゃらに。大久保は来季も川崎のエース、Jリーグのエースとして君臨する。

【神奈川新聞】


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