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14神奈川衆院選:注目区を行く〈9区=川崎市多摩・麻生区〉

政治行政 神奈川新聞  2014年12月08日 03:00

◇民主「最後の砦」に迫る自民

「今までで一番難しい戦いになる。何が何でも小選挙区で勝つために、前回のことは忘れてください」

5日夜、川崎市麻生区の市民館。演説会に集まった支援者ら約100人を前に、民主・笠は必死の形相で訴えた。序盤情勢で自民・中山と大接戦を演じているとの世論調査結果が飛び交っていたからだ。

1996年の小選挙区制導入以降、9区の議席を自民が制したのは2005年の「郵政選挙」のみ。笠は大逆風だった前回も、県内の民主候補でただ一人、小選挙区を勝ち取った。民主にとって9区は、いわば「最後の砦」だ。

だが今回、陣営に楽観ムードはない。「新しい人がどんどん入ってくる選挙区で、2年間バッジをつけてきた2人との勝負」と笠。前回9千票差に詰め寄り比例で初当選した中山と、みんなの党(当時)で比例復活した維新・椎名とのサバイバル戦の様相を呈する。

「『笠さんは盤石でしょ』という既存の応援者の意識を変えていくしかない」(陣営幹部)。4日には、笠に地盤を引き継いだ次世代の党副党首・松沢成文が応援に駆け付け、笠への支持を訴えた。

一方の自民・中山陣営にも焦りの色は濃い。かねて厳しい戦いとされる中、「聞こえてくるのはマイナス要素ばかり」(自民県議)だったからだ。

11月下旬、陣営幹部が懸念を口にした。「体感は2年前より厳しく、麻生区は特に悪い。勝負は麻生でどこまで取り返せるかだ」。自民が来春の県議選で麻生区に新人を立てることを決めたのに対し、同区で自民の推薦を受けていたベテラン県議が反発、椎名陣営に加わったのだ。「タイミングが悪かった」。中山を支える県議がこぼす。

それでも、9区は自民にとって「重点区」だ。党側は幹部や閣僚といった大物を次々に投入し、無党派層の取り込みに力を入れる。

11月30日、新百合ケ丘駅前。首相の安倍晋三の演説には約3千人が集まり、「この場所でこんなに集まったのは小泉(純一郎)さんが首相のとき以来」と関係者を驚かせた。

序盤情勢で接戦が伝えられると、応援弁士の投入をさらに強化。7日には幹事長の谷垣禎一がマイクを握り、多くの人が耳を傾けた。「これを中山の票にどう結びつけられるかだ」。徐々に手応えをつかむ陣営は、終盤戦での追い上げを期す。

自民、民主の激戦に割って入る椎名も必死だ。「前回はみんなの党の名前で復活できた」と自覚しており、維新として戦う今回の風の弱さも感じ取っている。昨年の参院選で支援した松沢が笠の応援に入った際は、怒りを隠しきれなかった。

とはいえ、2年間国会議員として活動してきた実績に加え、前回から格段に高まった知名度もある。江田憲司、橋下徹両共同代表による支持拡大にも期待を込め、「応援してくれた人に必ず恩返しを」と巻き返しを誓う。

共産・堀口は「安倍政権の暴走を止められるのは共産だけ」と強調。自民や民主に不信感を持つ層の取り込みを図る。 =敬称略

◇9区(川崎市多摩・麻生区)=敬称略、届け出順

中山 展宏46☆自 前(1)

堀口 望38 共 新

笠 浩史49☆民 前(4)

椎名 毅39☆維 前(1)

【名簿の見方】氏名、投票日現在の満年齢、☆は比例代表との重複立候補者、所属党派、前職・元職・新人の別。丸数字は当選回数▽党派の略称は、自=自民党、民=民主党、維=維新の党、共=共産党。

【神奈川新聞】


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