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  3. 14神奈川衆院選:戦いの構図(下)10区~18区

◆10区 自・民・共 少数激戦か

3度目の対決となる自民の前職・田中と民主の元職・城島に、2度目の挑戦となる共産の新人・中野が絡む少数激戦。前回のみんな、維新に投じられた8万8千票の行方が注目される。旧住民の多い臨海部と、超高層マンション建設で新住民が増加する中原区を抱える。区割り変更で同区の一部が18区に編入された。

7期目を目指す田中は、川崎市議、県議を務めた地元のネットワークと知名度は抜群。地域行事への出席も欠かさず、党役員(党組織運動本部長)としてアベノミクスの成果を訴える。

民主党政権で財務相など重要ポストを務めた城島は、前回苦杯をなめた。労組票を足掛かりに野党票の結集を狙う。議員定数削減や、労組出身として労働・雇用政策にも重きを置く。

党川崎南部地区委員長の中野は、統一地方選候補予定者らと消費増税中止や雇用政策の転換を主張する。

◆11区 小泉王国に共産挑む

3期目を目指す自民の前職・小泉に、共産の新人・瀬戸が挑む。民主は擁立を見送る方向で、2人の一騎打ちになる見通し。

小泉は今回も重複立候補をせず小選挙区1本での出馬。選挙中も党の顔として他候補の応援で全国を駆け回るが、曽祖父の時代からの地盤と小まめな地域活動、高い知名度で盤石の態勢を築いている。

瀬戸は小泉の父で元首相の純一郎と2度戦った経験があり3度目の挑戦。消費税増税や原発再稼働など安倍政権全般を批判。横須賀特有の問題として米原子力空母の母港撤回を訴える。

◆12区 阿部民主入りで混戦

自民の前職・星野に、急きょ民主の公認が決まった前職・阿部、次世代の新人・甘粕、共産の新人・味村が挑む。味村を除く3氏は前回と同じ顔ぶれ。前回未来で比例復活した阿部は、民主の公認内定を得ていながら出馬を辞退した元金融担当相・中塚の支援も受け、混戦が濃厚となった。

党経済産業部会の副部会長を務める星野は、アベノミクスの再加速や安全保障政策の継続を前面に掲げて再選を目指す。この2年は週2回の駅頭活動を実践。県議3期12年で培った地盤と人脈も武器に、保守層を手堅くまとめる。

社民で4回、未来で1回の比例復活がある阿部にとって、選挙区での当選は悲願。今回打ってきた秘策は、周囲も驚く民主入りだった。既存の“阿部ファン”の票に連合票を上乗せし、さらには古巣の社民からの票も見込むなど、野党の結集を呼び掛ける。

前回維新で出馬した甘粕は、次世代から再挑戦する予定。この2年は代議士秘書として研さんを積み、自主憲法制定などを訴える。

25歳の味村は、来春の藤沢市議選から矛先を変え参戦。消費増税や安保、原発などで安倍政権の取り組みを批判し、浸透を図る。

◆13区 重鎮甘利が11選狙う

経済再生担当相で11期目を狙う自民の前職・甘利に、維新・伊藤、共産・高久の2新人が挑む。

抜群の知名度を誇る甘利は、複数の閣僚を歴任する豊富な政治経験、アベノミクスの司令塔というポジションをアピール。経済再生、国際競争力の復活などを訴え、安倍政権の是非を問う。選挙期間中は応援演説で全国を回り、自民系の地方議員らが中心となって地元の支持固めを担う。

「非自民票の受け皿」と自任する伊藤は、座間市議1期目の途中で転身。若者世代の代弁者として、20代の若さを前面に出す。「非常に厳しい戦いになると覚悟している。しかし、あきらめない」との姿勢で、街頭演説を中心に知名度アップを図る。

高久は大和市議を3期務めた経験を踏まえ、護憲と航空機騒音をもたらし、オスプレイが飛来する米海軍厚木基地(大和、綾瀬市)の撤去を訴える。

◆14区 自・民対決に次共絡む

自民の前職・赤間と民主の元職・本村による3度目の対決に、次世代の元職・中本、共産の新人・中野渡が絡む。自民と次世代に対する保守層の動向と、民主、共産への非自民票の流れが勝敗の鍵を握りそう。

政権交代した2009年の選挙で苦杯をなめた赤間は、安倍改造内閣の一員として3選を目指す。アベノミクスの成果を丁寧に訴え、地元地方議員らを中心に支持基盤を広げる。

前回、民主への逆風で落選した本村は、元財務相の藤井裕久から受け継いだ地盤を丹念に回り、各層への浸透を図る。政権暴走ストップと「非自民の受け皿」を掲げ、雪辱を期す。

中本は、自民公認の比例で当選した2000年以来の議席奪還を目指す。保守層の取り込みを狙い、街頭活動を軸に支持を訴える。

中野渡は、原発ゼロなどを訴えて基礎票の上積みを目指す。

◆15区 河野に2新人挑む

3代続く強固な地盤を守る自民の前職・河野に、共産・沼上、無所属・池田の2新人が挑む。

前回、全国最多の19万2604票を獲得した河野は、保守にありながら脱原発の筆頭格として高い知名度を誇る。党行革推進本部長として無駄撲滅に取り組んだ実績もPRし、さらなる票の上積みを目指す。

20代の沼上は、長時間労働問題や消費増税中止などを訴え、安倍政権への批判票獲得を狙う。18年ぶりに河野と対決する池田は、自民政治にブレーキ、しがらみのない政治-を掲げ、無党派層への浸透を図る。

◆16区 自・民一騎打ちの様相

自民・義家と民主・後藤の前職2氏に、共産の新人・池田が絡み、三つどもえの構図となりそう。前回新人を立てた維新は候補者擁立を見送る方向で、小選挙区の議席を交互に勝ち取っている自民・民主による事実上の一騎打ちの様相。

引退した亀井善太郎の地盤を引き継ぐ義家は地元対策に力を入れており、この2年間で約2千カ所の地域イベントを回った。「約10万人と握手を交わした」と地に足を付けた活動を心掛けて再選を目指す。

地元県立厚木高校出身の後藤は、比例復活だった前回の屈辱をバネに支援組織を固める。選挙区内の市町村を回り行政課題を聞いて国に支援を働き掛ける活動もスタートさせ、各層への浸透を図る。

前回の出馬直前に厚木市内に転居した池田は、党所属の地方議員と連携し、街頭活動を中心に党の政策を訴える。

◆17区 因縁の対決3度目

前回の選挙で初当選した自民の前職・牧島、議席を明け渡した民主の元職・神山が三たび顔を合わせる因縁の対決に、共産の新人・吉田が加わる。

アベノミクスの推進を掲げる牧島は、元衆院議長・河野洋平の地盤を引き継ぐ形で出馬し、今回が3度目の選挙。「この7年間で休みは1日もなかった」と広い選挙区をこまめに回って支持層を広げ、小選挙区での議席死守を目指す。

返り咲きを狙う神山は、「小田原生まれ、湯河原育ち」と地元出身をアピール。「今の国は借金体質。先々の世代のためにも財政再建を後回しにしてはいけない」と、社会保障改革や国会議員の定数削減などを訴える。

「戦争する国にしようとしている安倍首相の動きに歯止めをかける」と平和外交の重要性を強調する吉田は、原発ゼロを訴えて無党派層への浸透も図る。

◆18区 民主不在も野党乱立

4期目を目指す自民・山際と国替えした次世代・中田の前職2氏に加え、返り咲きを狙う生活の元職・樋高、相次いで名乗りを上げた維新・北村、共産・塩田の両新人が乱立する混戦模様だ。擁立を見送った民主票の行方も注目される。

第2次安倍改造内閣で経産副大臣に就いた山際は、アベノミクスの推進に政府、党の両面から関与。経済再生に争点を絞り、小選挙区の議席死守を狙う。

前横浜市長の中田にとって、小選挙区での戦いは14年ぶり。今回は第三極の立場を貫き、旧8区時代の地盤がある宮前区を拠点に支持拡大を図る。

元環境政務官の樋高は2012年の落選後、選挙区を歩いて住民の声に耳を傾けてきた。駅頭での演説に力点を置き、環境政策と震災復興支援を訴える。

金融系企業に籍を置き政治塾出身の北村は若さを前面に打ち出し、自転車遊説やネット戦略に活路を見いだす。元東芝社員の塩田は非正規雇用やブラック企業問題など、労働者の環境改善をテーマに据える。

13年の区割り変更で、前回まで10区だった中原区の一部を編入。新たな有権者約6万2千人への対応も鍵を握る。

県内小選挙区立候補予定者

◇10区(川崎市川崎・幸区、中原区の一部) =12自09民

田中 和徳65 党組織本部長 自 前(6)

城島 光力67 前財務相   民 元(4)

中野 智裕56 党地区委員長 共 新

◇11区(横須賀・三浦市) =12自09自

小泉進次郎33 内閣府政務官 自 前(2)

瀬戸 和弘62 党県委員   共 新

◇12区(藤沢市、高座郡) =12自09民

星野 剛士51 元県議    自 前(1)

阿部 知子66 小児科医   民 前(5)

甘粕 和彦31 元衆議員秘書 次 新

味村耕太郎25 党准県委員  共 新

◇13区(大和・海老名・座間・綾瀬市) =12自09民

甘利  明65 経済再生相  自 前(10)

伊藤 優太29 座間市議   維 新

高久 良美60 元大和市議  共 新

◇14区(相模原市中央区、南・緑区の一部) =12自09民

赤間 二郎46 総務政務官  自麻前(2)

本村賢太郎44 元県議    民 元(1)

中本 太衛49 松下政経塾員 次 元(1)

中野渡 旬66 党地区常任委 共 新

◇15区(平塚・茅ケ崎市、中郡) =12自09自

河野 太郎51 党行革本部長 自麻前(6)

沼上 徳光28 党地区職員  共 新

池田東一郎53 元蔵相秘書官 無 新

◇16区(厚木・伊勢原市、相模原市南・緑区の一部、愛甲郡) =12自09民

義家 弘介43 党副幹事長  自町前(1)

後藤 祐一45 党政調副会長 民 前(2)

池田 博英52 党地区委員長 共 新

◇17区(小田原・秦野・南足柄市、足柄上・下郡) =12自09民

牧島かれん38 大学客員教授 自麻前(1)

神山 洋介39 党区総支部長 民 元(1)

吉田 福治59 元会社員   共 新

◇18区(川崎市高津・宮前区、中原区の一部) =12自09民

山際大志郎46 経産副大臣  自 前(3)

北村  造31 元証券会社員 維 新

中田  宏50 元横浜市長  次 前(4)

塩田 儀夫64 元東芝社員  共 新

樋高  剛49 元環境政務官 生 元(3)

【名簿の見方】

予定者は30日現在の神奈川新聞社調べ。

選挙区名の右は前回(12年)、前々回(09年)の当選者の政党。立候補予定者は氏名に続き、30日現在の満年齢、代表的な肩書、所属政党、自民党の予定者には派閥名、前職・元職・新人の別-の順。丸数字は当選回数。

党派の略は、自=自民党、民=民主党、維=維新の党、次=次世代の党、共=共産党、生=生活の党、無=無所属。自民党派閥の略称は、麻=麻生派、町=町村派。空白は無派閥または所属未定。

【神奈川新聞】


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