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突発選挙2014かながわ:有権者「課題置き去り」 語らぬ首相に不満

政治行政 神奈川新聞  2014年12月01日 03:00

安倍首相の演説を聴こうと詰めかけた聴衆=30日午前11時17分、東急田園都市線たまプラーザ駅前
安倍首相の演説を聴こうと詰めかけた聴衆=30日午前11時17分、東急田園都市線たまプラーザ駅前

一体、何が語られるのか-。2日の衆院選公示を前にした30日、遊説で県内入りした安倍晋三首相の言葉に有権者が耳を澄ませた。各地で強調されたのはアベノミクスの成果。一方、安全保障政策や議員定数削減問題といった有権者が関心を寄せるテーマは十分に触れられず、「語らぬ首相」に失望の声も漏れた。

買い物客でにぎわう夕刻の小田急線新百合ケ丘駅南口(川崎市麻生区)。安倍首相が繰り返す「アベノミクスで雇用が増え、賃金が上昇した」とのアピールが女性会社員(34)にはむなしく響いた。「置き去りにされているものがたくさんある」

集団的自衛権の行使容認や特定秘密保護法、原発再稼働の問題が気になって足を運んだ。「反対の声があるものをどんどん進めている。なのに説明がない。経済政策のほかに語るべきことがあるはずなのに」。不満はかえって募る結果となった。

横浜市青葉区の東急田園都市線たまプラーザ駅前。家族と演説を聞いた会社員の男性(38)はアベノミクスに期待する一人だが、反対する集団的自衛権の行使容認についてほとんど触れられず、「議論を十分せずに決めたのに、こうした場で説明をしないのは納得できない」。駅頭で訴えた約20分の大半を経済政策に割く姿に「逃げているとしか思えない」。

大勢の観光客が足を止めて聞き入った鎌倉駅前。年金を糧にする鎌倉市の男性(72)の目には「アベノミクスの宣伝」にしか映らなかった。消費増税と引き換えに約束された議員定数の削減について言及がなかったことに「約束をほごにしたままだ。消費増税で庶民の暮らしは圧迫されているのに、自分たちの身を切る覚悟はどうなっているのか」と憤った。

横浜市旭区の相鉄線二俣川駅前では、同区に住む無職男性(77)が演説の終わりを待つことなく聴衆の輪を離れていった。「アベノミクスの成果など一般庶民の実感からはほど遠い」。子や孫の世代のために将来の希望を説得力を持って語ってほしかったが、うなずける言葉はなかった。

29日には、やはり二俣川駅前で民主党の海江田万里代表の訴えを聞いていた。「アベノミクスの失敗を批判していたが、自分たちも何もできなかったくせにと思った」。バブル崩壊を境に経済の先行きが不透明になり、支持政党は社会党から自民党に代わった。政治には安定性が必要と考えるようになったからだ。

「その点では依然、自民党に一日の長がある」という男性は続けた。「ただ、安倍政権を全面的に信任しているわけじゃない。少なくとも首相本人やアベノミクスへの期待感は薄らいだ。株が上がり、円安になり、輸出企業が潤っただけ。安倍首相には、一番大事にしなければならないのは国民だということを忘れてはいないか、と言いたい」

【神奈川新聞】


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