1. ホーム
  2. 政治行政
  3. 【社説】<衆院選の争点>社会保障 制度の持続可能性示せ

【社説】<衆院選の争点>社会保障 制度の持続可能性示せ

政治行政 神奈川新聞  2014年11月27日 12:23

社会保障費が増加の一途をたどっている。医療・介護費、年金といった超高齢化の進行に伴う歳出に加え、近年、子育て支援の充実が優先度の高い課題になっているからだ。

かねて制度の効率化と水準の維持が追求されてきたが、負担の配分の側面が強く改革は足踏み状態といえよう。受給者のニーズに応えながら、現役、将来世代の過度な負担や将来への不安を解消するためにも、政府は持続可能な社会保障のモデルを示すべきである。

財源つまり税との一体改革が大きな一歩になることは間違いない。各領域に共通した課題は世代間の公平性確保である。人口構成の変化を背景に現役世代の負担が増え、国債増発によって将来世代へつけを回すゆがんだ状態を改善すべきだ。

人口増と高度経済成長を前提とした制度が現状にそぐわなくなりながらも改革を先送りし、借金で延命している構図である。負担の程度、享受する福祉の質と量について国民的議論が急がれよう。

焦点の一つが医療である。国民医療費が2012年度まで6年連続で過去最高を更新し40兆円近くに達している。大病院偏重から在宅医療・介護重視へ厚生労働省の政策転換は将来を見越しての判断といえる。住み慣れた地域で生活し、サービスの提供を受けるという基本理念に大きな異論はないであろう。問題は利用者の視点に立った地域ケアの仕組みを構築できるかどうかである。

かかりつけ医の役割や負担が過度に増すことはないか。365日・24時間、在宅療養に関わる医療、介護など多職種間でどのように患者の情報を共有していくのか。課題は山積していよう。医療全体の効率化も必要だが、何より高齢者の安心を最優先に施策の実行を急ぐべきだ。

年金制度の改革も重要課題の一つである。特に現役世代の負担増、将来世代の給付水準の低下をどのように抑えるのか、少子高齢社会にかなった公平性のあり方が問われよう。制度疲労が顕著であり、勤労者世帯の消費を冷え込ませている要因としても捉えられよう。

毎年給付水準を小刻みに抑制する「マクロ経済スライド」は世代間格差の是正に有効な手法の一つといえる。ただし、高齢者、とりわけ低所得者には痛みを伴う。世代間で負担をどう分かち合っていくのか中長期的な観点から検証すべきである。

【神奈川新聞】


シェアする

編集部のおすすめ

アクセスランキング

  1. 40代男性がはしかに感染 横浜

  2. 伊勢丹相模原店跡、複合ビル建設を検討 野村不と売買交渉

  3. ロマンスカー車内でわいせつな行為・小田急車掌を逮捕/神奈川

  4. 横須賀市内で5900軒停電

  5. 横浜高島屋が開店60周年 鳩サブレー缶など限定販売

  6. 動画 はっけよい…ぎゃー! 比々多神社で泣き相撲

  7. 稲村ケ崎海岸の沖合に女性遺体 鎌倉署が身元など捜査

  8. 閉店セール、開店前に行列も 伊勢丹相模原店

  9. 【写真特集】台風15号の被害状況

  10. 保育園埋設の放射性汚染土問題 横浜市が保護者に相談会