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被災地「忘れない」 湯河原の男性、ミカンや茶葉の支援続け

社会 神奈川新聞  2014年11月27日 12:08

仮設住宅に湯河原のミカンと足柄茶を届ける梅原さん(右) =宮城県気仙沼市
仮設住宅に湯河原のミカンと足柄茶を届ける梅原さん(右) =宮城県気仙沼市

東日本大震災の被災地を訪問、支援し続けている湯河原町の男性が今月、車内泊で仮設住宅にミカンや茶葉を届ける一人旅を敢行した。震災から3年8カ月。「自分にできることをコツコツ続けていくのが大切」と訴えている。

湯河原町土肥4丁目の無職梅原雄蔵さん(66)は、10代のころから旅行が趣味で、東北へは何度も訪れていた。

2011年3月。美しかった沿岸部の変わり果てた風景を報道で見て衝撃を受けた。居ても立ってもいられず4月から半年間、宮城県石巻市でヘドロをかき出すボランティアに従事した。以来、支援活動のため宮城、福島への訪問を20回以上続けている。

支援活動はできることのすべてを注いでいる。定年退職後で経済的な余裕はなく、旅の資金は造園や農作業などのアルバイトで稼ぐ。梅原さん自身も決して生活は楽ではない。また、届けられる物資もそう多くはない。それでも、東北で出会った人たちの顔を思い出しては「被災地のことを忘れていないんだよ、と東北の人たちに直接伝え続けたい」と走り続けてきた。

今回は、日曜大工で木製のベッドや棚を据え付けた軽ワゴン車に乗り、自宅のある湯河原町から福島県南相馬市、宮城県南三陸町などを巡る約2300キロを10日間かけて移動。活動に賛同した知人から提供を受けた湯河原ミカン約75キロと足柄茶100パックを配った。

繰り返し訪ねることで見知った顔も増えた。「また来てくれた」と表情が明るくなる年配の女性。「借り上げ住宅の抽選にやっと当たって、2年後に新しいアパートに住めることになった」とうれしそうに報告してくれる仮設住宅の女性。福島県いわき市の住民らは、仮設住宅でミカンをほお張る写真を送ってきてくれた。

自宅に戻れぬまま仮設住宅などで暮らす被災者は今も約23万9千人(復興庁発表)いる。だが「震災の話題がどんどん少なくなっている」と梅原さんは危機感を抱いている。「観光でもいいと思う。被災地を訪れて状況を知り、復興が必要であることを忘れないでいてほしい」と語気を強めた。

梅原さんは今後も農作業で資金を稼ぎ、近いうちにワカメ収穫作業手伝いのため、宮城県南三陸町を訪れる予定だ。

【神奈川新聞】


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