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まちは変わるか 二宮・女性町長誕生〈上〉現職、対策打てず

政治行政 神奈川新聞  2014年11月18日 12:21

家族や支援者らに囲まれ、万歳三唱する村田さん=16日午後10時44分、二宮町二宮の事務所
家族や支援者らに囲まれ、万歳三唱する村田さん=16日午後10時44分、二宮町二宮の事務所

16日に投開票された二宮町長選で、無所属新人の村田邦子氏が初当選し、同町初の女性町長が誕生した。選挙戦を振り返るとともに、今後の展望や課題を探る。

「おめでとう。当選って聞いたときの、家族の歓声を聞かせたかったわ」

投開票から一夜明けた17日午前。二宮町二宮の事務所で、女性支援者は村田氏に抱きついて祝福した。その間にも、お祝いの生花が届き、来客が次々に訪れた。

前日16日には、集まった20人ほどの支援者と勝利の喜びを分かち合った。事務所に「当選確実」との情報が伝えられると、割れんばかりの歓声が起こった。互いに肩をたたき、涙を浮かべる支援者も。選挙戦では「手応えを感じていた」と振り返る村田氏は支援者の真ん中に立ち、満面の笑みで万歳した。

投票率は60・79%(投票総数1万4927票)。現職の坂本孝也氏との差は1300票以上開いた。明暗を分けたのは、子育て中の女性を中心とした若い層との見方は、両陣営に共通している。

村田氏は、子育て支援や在宅医療システム構築などの政策が重なっていたこともあり、町議選で1590票を獲得してトップ当選した新人の露木佳代氏と互いに緩やかに連携していたという。「投票に行ったという子育て中の若い夫婦が少なくなかった」と振り返る露木氏は、「自分を支持してくれた人の多くは、村田さんにも入れてくれたと思う」と話す。

これに対し坂本氏は、前回の無投票を挟んだ8年前の選挙との違いを、肌で感じていた。いわく「町が静かになっていく」。現職が敗れた近隣の首長選と同じ雰囲気だったという。「告示前から(村田氏に投票すると)決めていた人が多かった。そういう人は外に出ないから、静かになって反応もなくなる」。女性票が村田陣営に流れることは分かっていたが、有効な対策は講じられなかった。

坂本町政2期8年で生じた閉塞感も、「静かさ」につながった要因とみられる。

有識者でつくる「日本創成会議」が5月に公表した試算で、二宮町は2040年までに20~30代の女性が半減する「消滅可能性都市」に分類された。町民にとっては大きな衝撃だったが、「町がなくなるわけではない」と話す坂本氏に対し、「危機感が薄い」と感じた有権者もいたという。

新人の脇正文氏が事前の予想を上回る2600票超を得たことも、坂本氏の誤算だった。「現職を批判しつつも村田氏を支持できない保守層が『消極的選択』として脇氏に流れた」。複数の町議の陣営は、坂本氏の敗因をそう分析した。

【神奈川新聞】


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