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【社説】沖縄県知事選 基地政策転換は必至だ

社会 神奈川新聞  2014年11月18日 11:00

米軍普天間飛行場の辺野古移設への賛否を焦点にした沖縄県知事選は、反対を訴えた前那覇市長の翁長雄志氏が、移設推進を掲げ3選を目指した現職の仲井真弘多氏ら3人を大差で破り初当選した。

注目されるのは政府を挙げての現職支援が通じなかった点だ。振興費増額や自治体職員が基地内に立ち入ることを可能とする「環境協定」の合意と、知事選を見据えての政治的シナリオはあまりにも民意とかけ離れていたと言わざるを得ない。

戦後、米軍基地がある自治体で行われてきた、基地負担と引き換えに振興費を配る「アメとムチ」の米軍基地政策が転換を余儀なくされるのは必至である。

安倍晋三政権による安全保障政策の転換、日米同盟強化に危機感を示す国民世論を基盤に、争点が普遍化したことも党派を超えた広範な支持につながったといえよう。

政府は同飛行場の危険除去を強調してきたが、県民の大多数が県内移設、基地固定化を拒絶し国外、県外移設を選択した格好だ。名護市辺野古の予定地では海底掘削調査など新基地建設の既成事実化が進むが、先行きは混迷を深めることになろう。

沖縄の基地負担軽減として同飛行場配備のオスプレイの県外訓練拡大が進む状況である。昨今、米海軍厚木基地にも頻繁に飛来しており、今回明確になった民意は本土の米軍基地周辺住民の思いにも通じるのではないか。従来、政府は選挙結果にかかわらず移設を進める考えを示してきた。このまま強硬姿勢を貫けば、沖縄だけでなく国民世論の反発を招くことは間違いない。

同県知事選は本土復帰以降、「保革対決」が続いてきたが、保守分裂の争いは極めて異例といえる。辺野古移設が争点だったことし1月の名護市長選も反対派の現職が再選。知事選と同日に投開票が行われた大票田・那覇市の市長選は、翁長氏の後継者が自公推薦の元副知事を制した。沖縄と中央との認識の差は拡大する一方である。

北朝鮮の核開発や中国の海洋進出を念頭に置いた米軍基地の機能や日本の補完機能の強化。日米防衛協力指針の改定や安全保障法制の整備が具体化する来年は、くしくも「戦後70年」に当たる。この間、日本は平和を貫いてきた。沖縄知事選の結果に鑑み、戦争放棄を掲げた憲法の意味をあらためて確認したい。

【神奈川新聞】


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