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【社説】横浜銀経営統合 新たな地銀像示せるか

経済 神奈川新聞  2014年11月17日 09:45

県内に主な基盤を置く地銀最大手の横浜銀行(横浜市西区)と、東京、茨城を地盤とする東日本銀行(東京都中央区)が経営統合へ基本合意したことが発表された。地方銀行グループで全国最大になる広域連合とあって、業界に与える衝撃は大きい。

従来の地銀統合では、福岡銀行(福岡県)が中心となり、経営難だった2行とともに2007年に誕生したふくおかフィナンシャルグループ(FG)がその典型例だ。今年10月に統合した東京TYFG(東京都民銀行、八千代銀行)のように、中堅行同士が経営環境の先行きに危機感を募らせたケースもあった。

しかし、今回は明らかに異なる。今年9月末の総資産は、横浜銀の13兆7千億円に対し、東日本銀は2兆円。経営規模には開きがあるものの、ともに14年3月期には連結純利益が増益になるなど、健全な体質を維持している。

横浜銀のケースが特異なのは、取引先が豊富な首都圏に位置している上、単体では全国トップという十分に勝算がある経営体力を持っていながら、一歩を踏み出す点だ。だからこそ、「攻めの統合」と評する声が聞こえる。

バブル崩壊以降、集約が進んだメガバンクに比べ、第二地銀を含めて全国に105行ある地銀再編の歩みはここ数年、やや停滞ぎみだった。安倍政権の経済政策「アベノミクス」による株価の上昇や不良債権の減少で業績が回復傾向にあるからだ。

しかし一方で、人口減による市場縮小は避けられない。住宅ローンや中小企業向けの貸し出しを担う地銀だが、過当競争で金利引き下げが過熱し、消耗戦が続いている。中小の海外展開への支援、企業の合併・買収(M&A)の仲介といった役割も求められている。

地方経済の再生や振興に地銀の果たす役割は大きい。金融庁は1月、全国の地銀に対し、業務提携や統合を経営課題として検討するよう異例の要請をした。さらに7月には「現在のビジネスモデルは中長期に成立しない可能性がある」と、これまた異例の警告を発した。

横浜銀-東日本銀の統合は、今後の競争激化を見越した上で打った先手である。問われるのは、身近な地方経済のために、新しいビジネスモデルをどう構築していくかである。統合は終着点ではなく、出発点にすぎない。

【神奈川新聞】


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