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鎌倉市、ビーチ規制を大幅強化へ トラブル増加で路線変更

社会 神奈川新聞  2014年11月13日 03:00

海水浴場の治安や風紀を改善するため、鎌倉市は12日、砂浜での音響機器使用や飲酒を禁止するなど条例による規制を大幅に強化する方針を明らかにした。改正案を来年2月の市議会定例会に提出し、議決を得られれば来夏から適用する考え。海の家に関しても、営業時間を短縮しライブハウス型営業を禁止するなどの方向で検討している。

市は今夏、マナー向上条例を制定し来場者に協力を求めたが、警察への通報件数が昨夏に比べ増加するなど改善は図られず、松尾崇市長が規制強化を表明していた。

この日開かれた市海水浴場健全化検討部会で、市の方針として示された。それによると、来場者に対する規制として(1)80デシベルまで認められていた音響機器の使用禁止(2)海の家以外での飲酒禁止(3)努力義務だった迷惑行為の禁止-を盛り込む。

さらに、条例とは別に市と市海浜組合連合会が定めてきた海の家の営業などに関するルールについても、今後は検討部会で協議する考えを表明。具体的なルール変更として(1)営業終了時間を午後10時から午後8時半に短縮(2)ライブイベントを主目的とした営業の禁止(3)酒類提供の制限(強い酒類や、酒類そのものの販売禁止)-とする方針を打ち出した。

この日の検討部会で、市観光商工課は「良い悪いにかかわらず(海水浴場に)人が多く集まる理由に、海の家があるのは間違いない」「(ライブなど)多くのイベントが一部のマナーの悪い若者を引きつけている」と指摘。慎重姿勢を示してきた組合側などに対して、あらためて規制強化の必要性を訴えた。

参加者からは「今夏の現状では規制強化はやむを得ない」という支持のほか、「規制以前に、来場者を快く迎える姿勢も大切」といった意見も出された。最終的に市が意向を確認する際には、反対の声は上がらなかった。これを受け市は、年内にパブリックコメント(市民意見募集)を行い、年明けの2月議会に条例改正案を提出する方針。

地元自治会や海水浴場組合、市観光協会などでつくる検討部会は今後、県の有識者会議「海岸利用に関するあり方検討会」が報告書にまとめた「協議会」として位置づけ直し、海の家の営業などに関するルールの策定作業を継続する。

◇厳しい逗子から流入-解説-

今夏、来場者のマナー向上に期待し、理念条例にとどめて海水浴場開設に臨んだ鎌倉市が、ひと夏で規制強化へかじを切る。路線変更の背景には、隣接する逗子市が定めた“日本一厳しい”条例との落差がある。

若者を中心とした海水浴客が逗子の厳しい規制を嫌い、相対的に緩やかな鎌倉側に流れ込んだとみられ、鎌倉ではトラブルや苦情が増加。規制を逗子市と近い水準まで引き上げる必要に迫られた。

鎌倉市はこれまでの海水浴場健全化検討部会で、ライブハウス型の海の家で連日行われたイベントなどに集まった「マナーの悪い若者」が治安や風紀の悪化の要因と指摘した。今夏に向けて海浜組合連合会が主催した事前のイベント審査会だけでは、問題の解決につながらないと判断した格好だ。

市議会6月定例会での条例制定からシーズン入りまでわずかだったことも、課題と認識されている。

鎌倉市は今後の条例改正に向け、「早期に手続きに入る」と説明。松尾崇市長が「海のあり方が問われる夏」と称した課題は、来夏以降も続くことになる。

【神奈川新聞】


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