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川内原発再稼働で神奈川反応 「安全の保証ない」「地域の理解得た」

社会 神奈川新聞  2014年11月08日 03:00

鹿児島県の伊藤祐一郎知事は7日、記者会見し、九州電力川内原発1、2号機(同県薩摩川内市)の再稼働について「やむを得ないと判断した」として同意を表明した。事実上、再稼働が確実になった。原子力規制委員会の審査などが残っており、再稼働は年明け以降の見通し。

◇「安全保証していない」原告団長・村田さん

「事故が起きる危険がないと誰も保証していない。なぜ再稼働を判断できるのか。もっと慎重になるべきだ」。国と東京電力に損害賠償を求めた横浜地裁での集団訴訟で、原告団長を務める村田弘さん(71)=横浜市旭区=は憤る。

東電福島第1原発事故で自宅がある福島県南相馬市からの避難を余儀なくされ、避難生活は3年8カ月を迎えた。今月2日から3日にかけて半年ぶりに戻った自宅は荒れ果て、あらためてやりきれない思いにさいなまれた。各地に避難している人は疲れ果て、多くの家族が離れ離れのまま。深刻な放射能汚染も解決の道筋は見えていない。

川内原発の安全性については、責任の所在があいまいだと感じてきた。「原子力規制委は基準に基づいて審査するだけで、絶対に安全かどうかは判断していない。一方で政府は規制委が基準に合格していると判断しているから、問題はないとしている」。これまでの議論に疑念は尽きない。

地震、津波、火山噴火の恐れにも直面している川内原発。噴火は予知が可能で、恐れがあれば原発を止めて燃料は持ち出すと説明する政府に対し、「御嶽山の被害を見れば、そんなことはできないと誰でも思う。慎重の上に、慎重であるべきだ」。

原発をいいかげんな尺度で扱えば、必ず悲劇は繰り返され、自分たちが味わっている苦難を多くの人が味わうことになる。だからこそ、言いたい。

「原発が動いていなくても、私たちの社会は問題なく動いている。原発と、人の命はてんびんにかける話ではない」

◇県内首長からは理解と懸念の声

九州電力川内原発の再稼働に伊藤祐一郎鹿児島県知事が同意したことを受け、神奈川県内で再生可能エネルギーの推進を目指す首長らから、理解と懸念の声が上がった。

黒岩祐治知事は「薩摩川内市長、同市議会、鹿児島県議会の同意に基づき、知事が判断したこと。正しい選択だったと思う」と述べ、地元住民の理解を得た判断との見方を示した。

「脱原発」の言葉を使った“元祖”と自負する黒岩知事だが、「原発ゼロにできればいいが、すぐにはできない状況の中では、(原子力規制委員会が)厳しいチェックをし、安全性に関する確証が得られれば、再稼働していくことはいいと思っている」と述べた。

全国の市町村長ら有志でつくる「脱原発をめざす首長会議」の設立呼びかけ人の加藤憲一小田原市長は「原発立地地域の皆さんが判断したことに異論を唱えることはできない」とした上で、「再稼働にゴーサインが出されたことは非常に残念」と述べた。

再稼働の動きが他に拡大することを懸念し、「地域の安全性や次世代への不安など原発が抱えるリスクを考えると、万が一の際にははるかに大きな代償を払うことになる」と強調した。

また、「エネルギーから経済を考える経営者ネットワーク会議」の鈴木悌介代表理事(小田原箱根商工会議所会頭)は、「これまで原発なしでやってきたのに、ここで再稼働させる意味が分からない」と疑問を呈した。

【神奈川新聞】


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