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【社説】政治とカネ 自らに厳しくしてこそ

政治行政 神奈川新聞  2014年11月06日 10:31

「政治とカネ」の問題が、泥仕合の様相を呈している。女性2閣僚がダブル辞任した後にも別の閣僚の問題が相次いで発覚。加えて、安倍晋三首相が国会での答弁などで、野党幹部に対する批判を繰り広げているからだ。

首相や閣僚の政治資金をめぐる問題の追及は、自民党も野党時代にさんざんやってきた。国会論戦で自ら野党側の批判を始める安倍首相の言動は宰相として異例であり、度量も問われかねない。自民党が下野したときの足かせをつくってしまったという側面もある。

内政外交の幅広い問題を審議する予算委員会がスキャンダルの追及に偏ることには、かねて懸念がある。先の衆院予算委でも、次世代の党から「政策審議を滞らせないよう、(疑惑を持たれた閣僚らは)積極的に政治倫理審査会(政倫審)で説明するよう首相が指導するべきだ」との指摘が上がった。

もっともな主張であり、首相が「政倫審での対応は議員の身分、名誉に関わることで、国会が決めると理解している」と述べるにとどめたことは極めて残念だ。

自民党と公明党は野党転落が目前だった2009年、民主党代表だった鳩山由紀夫氏の偽装献金問題をめぐって審査を申し立て、政倫審が開会されたことがある。政敵を追及する際の舞台として、政倫審を使った前例があるのだ。「予算委員会で(政治とカネの問題を)言い合うのは生産的ではない」といった首相自身の発言もあり、首相の今後の対応を注視していきたい。

一貫性でいえば、宮沢洋一経済産業相の外国人企業献金問題も看過できない。安倍首相は「宮沢氏は速やかに返金した。識見、能力を生かして引き続き経産行政にまい進してほしい」と、辞任する必要がないとの認識を示している。

が、民主党政権時代の12年、田中慶秋法相(当時)の政治団体が外国人から献金を受けていた問題が発覚した際、「事実なら当然、辞任を求めざるを得ない」と述べたのは、自民党総裁だった安倍首相である。

「国益や主権とは何かとの認識が欠落している」とまで言及していたことを、決して忘れてはならない。理屈を探して抗弁する様は、国民にどう映るのだろうか。自らや身内に厳しい姿勢なくして、政治に信頼は得られない。

【神奈川新聞】


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