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横浜中華街のシンボル化粧直し 落下事故防止へ一斉修繕

社会 神奈川新聞  2014年11月05日 11:00

瓦屋根や守護神のモチーフなど数多くの構築物で構成されている中華街の牌楼。自然災害などに備えて一斉修繕に乗り出す=横浜市中区
瓦屋根や守護神のモチーフなど数多くの構築物で構成されている中華街の牌楼。自然災害などに備えて一斉修繕に乗り出す=横浜市中区

横浜中華街発展会協同組合は中華街の「牌楼(ぱいろう)(門)」を約1年間かけて一斉に修繕する。同組合では2011年の東日本大震災を受けて全牌楼の検査を進めており、構築物の落下事故などを未然に防ぐために補強する。03年に10基の牌楼がそろってから、一斉に修繕するのは初の取り組みで「平成の牌楼大修繕プロジェクト」と位置付けている。

同組合では牌楼の小規模な修繕を恒常的に行ってきたが、東日本大震災後に牌楼全基について、あらためて専門家による目視などの点検を実施。東西南北の4基と善隣門の5基は非破壊検査も行った。

いずれの牌楼も耐震性に問題はなかったが、ごく一部で牌楼を覆う瓦屋根のひびや上部に飾られたオブジェの腐食などが確認された。これらの装飾物の落下事故を防ぐため、一斉修繕によって早めの対策を取る。10基のうち朱雀(すざく)門は昨年修繕を終えた。

10月から材料などの準備を始めており、12月に延平門からスタートする予定。装飾物の多くは中国の職人の手作りで、今回も中国の職人に依頼するなどして新調したり、補強したりする。一部はペンキの塗り替えなども行う。修繕に掛かる費用約1億8千万円のうち、3分の2は安全・安心なまちづくり向けの国の助成金を充てるが、残り約6千万円は組合員らから寄付を募るという。

横浜中華街は、開港後に江戸幕府が横浜新田を埋め立てて外国人居留地として造成したところ、偶然東西南北の方位に正しく整備された。ここへ集まってきた中国人は風水思想を重んじ、街の安全と繁栄を願って、東西南北の入り口に牌楼を建設した。牌楼はそれぞれの方位の守護神や色彩で構成されており、修繕後も現在のデザインを継承する。

牌楼は1955年に中華街大通り入り口の初代善隣門が第1号として完成。現在の善隣門は89年の横浜博覧会に合わせて建て替えた2代目。94年には横浜市立みなと総合高校近くに延平門、95年には中華街の南北に朱雀門と玄武(げんぶ)門、関帝廟(びょう)通りの東西に天長門、地久門、市場通りの両端に2基の市場通り門と計6基を一斉建設。2001年にはJR石川町駅近くに西陽門が続いた。03年に完成した朝陽門が高さ13・5メートル、幅12メートルと最大。

同組合では「牌楼は中華街のシンボル。今後起こり得る自然災害に備えて早めに対策を取り、観光客らを安全に迎えたい」と話している。

【神奈川新聞】


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