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野党「統一候補」、道は険しく 自民1強の対抗模索

政治行政 神奈川新聞  2014年10月26日 11:15

次期衆院選をにらんだ野党間の候補者調整が焦点になっている。閣僚のダブル辞任で安倍政権に陰りが見えるとはいえ、「自民1強」に対抗するには小選挙区候補者の一本化が不可欠との認識を主要野党が共有しているからだ。互いの腹の探り合いが続くが、すでに競合している選挙区が存在する上、ライバルに地盤を譲ることには抵抗感が強い。政策面で一定の共通性がなければ野合との批判も受けかねず、「統一候補」誕生のハードルは高いのが実情だ。

党幹部から積極的な発言が目立つのは民主、次世代、みんなの3党だ。

みんなの浅尾慶一郎代表は9日の民主・海江田万里代表との党首会談で、3党に維新の党を加えた4党で候補者調整を進めるため、民主がリーダーシップを取るよう要請。浅尾氏は次世代・山田宏幹事長とも4党枠組みでの候補者調整の推進で一致していた。

海江田氏は「前回総選挙の敗北要因の一つは野党候補の乱立」と応じ、枝野幸男幹事長も翌10日の講演で、「自党候補に勝ち目がないときのセカンドベストは自公でなく、他の野党が議席を取って自民1強を改善すること」と、調整の必要性に言及した。

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一方で、慎重姿勢を崩さないのは維新の橋下徹、江田憲司両代表。結党の原点と位置付ける「大阪都構想」の実現をめぐり、地元の民主系会派と対立を抱えている点が影を落としている。

江田氏は2日の海江田氏との会談で、与党に対抗するため国会運営での共闘では合意したが、候補者調整は話題にならなかったという。「都構想で先鋭に対立する中で、これ以上の民主との連携はあり得ない」。江田氏は会見でこうくぎを刺した。

江田氏は、野党再編と与党との連携の双方を選択肢とする党方針を決めたみんなについても「野党でも与党でもない『ゆ党』では協議は難しい」と指摘。

実際、みんなの内部では、与党との連携路線に固執する渡辺喜美前代表が野党連携に「納得できない」と異議を唱えており、一枚岩とは言い難い。各党が“お家事情”を抱え、道筋は定まらない。それでも「野党候補を一本化しなければとても小選挙区では勝てない」(維新若手)との危機感は共通している。

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次期衆院選は、前回より5減の295選挙区で争われる。現状で4党の候補予定者が不在なのは4割弱に当たる110選挙区余り。これらの選挙区で4党が調整して候補を一本化すれば、与党候補と互角に近い戦いができるとの読みが成り立つ。

一方で、民主はすでに130人超の小選挙区候補予定者を決めており、他の3党と約50選挙区で競合している。こうした選挙区では、手塩にかけた地盤の放棄を迫られる候補予定者が出かねず、当事者にとっては“死活問題”だ。調整は容易でなく、競合選挙区の現職の1人は「無所属になってでも、地盤を譲る気はない」と眉をひそめる。

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候補者調整はあくまで選挙区のすみ分けで、本格的な選挙協力とは違う「消極的協力関係」を志向したものだ。だが、前提としてどの程度政策を一致させるかでも認識に温度差がある。

みんな・浅尾氏は「自党が候補を出さない選挙区で他党候補を応援するなら、さらなる政策の一致が必要だが、候補者調整なら現段階でも可能」との認識で、民主・枝野氏もこれに近い見解を示している。

一方で、野党再編を掲げ政策の一致を最重視する維新・江田氏は「基本政策の一致もないのに候補者調整なんてあり得ない。野合と批判され、これほど国民を愚弄した行為はない」と訴える。

維新は23日に初の選挙対策委員会を開催。江田氏は「他党との調整など考えず、まず100人以上の擁立を目指す」と自力更生を誓った。

衆院議員任期は12月で折り返しを迎え、秋風が吹く永田町では「常在戦場」の言葉がぐっと重みを増してきている。

【神奈川新聞】


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