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動物保護センターの猫殺処分ゼロ継続中 ボランティアも尽力

話題 神奈川新聞  2014年10月25日 10:30

県動物保護センターなどから引き取った猫たちをスタッフが飼育している「たんぽぽの里」=相模原市中央区
県動物保護センターなどから引き取った猫たちをスタッフが飼育している「たんぽぽの里」=相模原市中央区

県動物保護センター(平塚市)に収容された猫の殺処分数が、昨年10月から丸1年以上、ゼロが続いている。「猫をむやみにセンターへ持ち込まず、殺処分しないという問題意識を広めたい」と、ボランティア団体がセンターから猫を引き取る仕組みを提案。一時飼育や里親探しに奔走した努力が結実した。今後は「飼育放棄などの持ち込みもゼロにしたい」と意気込んでいる。

同センターでは昨年度、犬の殺処分数が初めて1年を通してゼロになったが、さらに収容数の多い猫では全国的にも珍しいという。

同センターと県食品衛生課によると、猫の収容数は5年前の2009年度は1919匹いたが、室内飼育が増えた影響で年々減少し、昨年度は収容634匹。そのうち398匹が殺処分された。

それまでも収容された猫を引き取っていたボランティア団体側が、殺処分ゼロを目指す連携を同センターに呼び掛けた。同センターで最後に猫の殺処分が行われたのは、昨年10月11日。以降は、収容のたびにセンターから連絡を受け、複数の団体や個人ボランティアが手分けして猫を引き取ってきた。

インターネットなどを通じて里親を探す傍ら、3、4時間おきにミルクを与えるなど世話が必要な子猫の場合は自宅などで飼育する。病気や高齢の猫を病院へ通わせることもある。

積極的に猫を引き取ってきた保護シェルター「たんぽぽの里」(相模原市中央区)を運営する石丸雅代代表によると、里親が見つかるのは半数程度にとどまる。残りは、石丸代表らボランティアが自宅やシェルターで飼育し続ける。年間数百万円に上るシェルターの運営費は、寄付やメンバーの持ち出しで賄われている。

それでも奔走を続けてきたのは、「殺さないで済む方法があると、目に見える形で示したかった」からだ。

一方で、一部のボランティアだけではゼロの継続は難しいのも実情だ。犬と違い、飼育の際に県への登録の必要がない猫の場合、野良かペットか判別できず、人に危害を加える恐れも少ないため、すぐに保護に踏み切れない難しさがある。結果的に野良猫が産み落とした子猫がセンターに多数持ち込まれることになる。

石丸代表は、継続的な殺処分ゼロに向け、不妊手術をした上で住民などが世話する「地域猫」の取り組みの推進や、やむを得ず手放すことになった飼い主自身が里親を探す仕組みを行政と連携して確立していく必要性を指摘する。

センターに持ち込まれる成猫の多くが、飼い主の転居や高齢化による飼育放棄だという実態もある。石丸代表は「殺処分をなくすには、持ち込みをゼロにする必要がある」と強調。引き続き本年度中の殺処分ゼロを達成し、「機運を高めたい」と話している。

【神奈川新聞】


猫の殺処分数の推移
猫の殺処分数の推移

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