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「保護司」が不足 負担軽減、若手の確保など課題多く

社会 神奈川新聞  2014年10月23日 11:00

任命証を受け取る新任の保護司ら=横浜市中区の横浜保護観察所
任命証を受け取る新任の保護司ら=横浜市中区の横浜保護観察所

犯罪や非行をした人の再犯を防ぎ、社会復帰をサポートする保護司。献身的な活動で保護観察対象者の立ち直りを促し、更生保護の中核を担っている。地域の安全・安心に欠かせない存在だが、県内は全国と比べて高齢化が進むなど担い手が不足しており、人材の確保が急務になっている。

保護司は非常勤の国家公務員で、(1)保護観察付きの執行猶予者(2)刑務所など刑事施設の仮釈放者(3)少年院の仮退院者(4)少年法に基づく保護観察処分を受けた者-などの保護観察対象者の更生を支援。生活状況などを確認し、相談に乗るほか、入所入院中から出所退院後の社会復帰に向け、就労先を探したり、家族や学校などと生活環境を調整したりする。犯罪の未然防止に向け、啓発活動にも取り組むなど地域の安全の“立役者”でもある。

だが、県内は全国に比べ、担い手不足と高齢化が目立つ。

法務省横浜保護観察所によると、県内では今年1月1日現在、2001人の定員に対して1787人。充足率は89・3%で、全国平均の91・2%を下回る。全国で保護司1人が担当する保護観察対象者は平均で年間1、2人のところ、県内は3、4人。地域での偏在もあり、県保護司会連合会の山口信郎会長は「担当が5人を超える保護司も少なくない。中には10人に上る場合もある」と話す。

県内の平均年齢は65・7歳(8月1日現在)で、全国平均の64・3歳(2013年1月1日現在)を上回る。「核家族化などの影響で地域とのつながりが希薄になり、インターネットの普及など若者の犯罪に知識が追い付かないことも、なり手不足の背景にある」と山口会長。定員を満たし、若手も確保していくことが課題だ。

国も対策に乗り出した。現在は交通費のほか、面談時の飲食代などとして対象者数に応じて保護司1人当たり4千円か5千円が支給されているが、負担軽減に向けて支給額の拡充を検討している。

また、保護司同士が悩みや相談事を話し合ったり、関係機関と連携したネットワークを構築したりするための「更生保護サポートセンター」を13年度末現在で全国245カ所に設置。14年度末には345カ所まで増やす方針だ。県内では横須賀、厚木、小田原市内に開設されており、本年度中にさらに1カ所の新設を目指している。

同所企画調整課の西元雅夫課長は「厳しい境遇に置かれがちな人々の社会復帰を支援し、再犯を防ぐことで安全安心なまちづくりに役立つ」と強調。山口会長は「対象者に寄り添い、親身になって話ができる人に保護司になってほしい」と話している。

◇新たに60人任命 新任保護司への辞令伝達式が22日、横浜市中区新港1丁目の横浜保護観察所で行われた。新たに保護司となった60人に任命証が手渡され、更生の支援に向けて決意を新たにした。任期は2年間で76歳まで再任できる。

西瀬戸伸子所長は「地域の核として、安心安全の確保に努めてほしい」とあいさつ。県保護司会連合会の山口信郎会長は「不安が多いかもしれないが、地域には素晴らしい保護司の先輩たちがいる。一人で悩まず、気軽に相談してほしい。地域の安全と安心のため、無理のないように頑張ってほしい」とエールを送った。

任命証を受け取った漫画家の男性(41)=鎌倉市=は「若さを生かし、(保護観察の対象者と)本音で向き合いたい」と意気込みを話した。

同所によると、新任は男性46人、女性14人。年齢別では60歳以上が26人で最も多く、55~59歳が17人、50~54歳が8人と続く。職業別では、会社・団体役員が最多の19人で、会社員と宗教家が各9人、主婦7人。今回の60人を含め、県内の保護司は計1793人となった。

【神奈川新聞】


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