1. ホーム
  2. 社会
  3. 【社説】女性閣僚ダブル辞任 明確な説明が足りない

【社説】女性閣僚ダブル辞任 明確な説明が足りない

社会 神奈川新聞  2014年10月21日 09:26

第2次安倍改造内閣が掲げる「女性の活躍」の象徴でもあった小渕優子経済産業相と松島みどり法相が、就任から1カ月余りで辞任に追い込まれた。小渕氏は自らの政治団体で不適切な支出を指摘され、松島氏は地元選挙区で「うちわ」を配布したことが公職選挙法上の寄付行為にあたると問題視された。

“ダブル辞任”が政権にとって大きな痛手になるのは避けられない。第1次安倍政権で立て続けに閣僚が交代した「辞任ドミノ」の再現を思わせる異常事態だ。

疑惑が表面化して以来、各調査での政権支持率は下落傾向だった。2閣僚を同時に辞任させて政権が幕引きを図った形だが、政権運営に緩みがないか、足元を見つめ直さなければならない。安倍晋三首相が「任命責任は自分にある」と陳謝したのも当然だろう。

小渕氏が会見で説明した内容によると、後援会などの政治団体が開いた観劇会で、会費の収入を支出が大きく上回っていた。参加者が支払う実費に加え、費用の一部を肩代わりしたのなら、公職選挙法違反に当たる可能性もあるとされた。

小渕氏は利益供与は否定したものの、収支報告の不実記載は認めた。「『女性の輝く社会』の実現に何一つ貢献できなかったことを申し訳なく思う」とも述べた。

だが「政治とカネ」の問題を再燃させたことに対する説明責任は、閣僚の職を辞しただけで果たされるものではない。徹底した調査を行い、結果を公表すべきだ。

松島氏が野党議員からの追及を「雑音」と表現したことにも言葉を失う。後に撤回したが、野党議員が公選法違反に当たるとして同氏を刑事告発したため、法務検察のトップが捜査対象となる事態に発展しかねない状況となっていた。

国会論戦の本筋は政策本位であるべきことは当然だ。だが、閣僚の不始末による政策の停滞が国民の政治不信を増幅させるものでしかない以上、野党の追及を「ほかに議論することがある」と非難する与党の声も、たいして説得力を持たない。

今回の臨時国会では、消費税率の引き上げをめぐる判断が最大の焦点となる。閣僚に自己を厳しく律する姿勢が乏しいと受け止められれば、負担増に正面から向き合うことを国民に期待できるはずもない。そんな政治は見たくない。

【神奈川新聞】


シェアする