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天然アユの子から採卵し受精 強い生命力期待 県内水面試験場

社会 神奈川新聞  2014年10月21日 03:00

F1アユを使った採卵作業=相模原市緑区の県水産技術センター内水面試験場
F1アユを使った採卵作業=相模原市緑区の県水産技術センター内水面試験場

相模川や酒匂川など県内河川に来春放流するアユの生産がピークを迎えている県水産技術センター内水面試験場(相模原市緑区大島)で、新たな試みが行われている。親アユから卵を採り、受精させる作業はこれまで、人工飼育で世代数(継代)を重ねてきたアユによる採卵だったが、今回初めて相模湾から昨春採捕した天然アユの子に切り替えた。より天然に近いアユで生産することで、強い生命力があるアユが期待されている。

同試験場によると、採卵作業は9月末からスタート。計画では11月初めまでに、親アユ約3千匹から稚魚の生産に必要な発眼卵を約6百万粒つくる。ふ化直前の8日目前後で、民間に生産委託している内水面種苗生産施設(同市南区下溝)に移して育てられる。

生産されたアユは、6月の釣り解禁前の4月から5月にかけて県内河川に放流(約100万匹)されるが、一部は放流せず親アユに回される。このやり方で何世代も繁殖を繰り返してきた。世代数が長いものでは、F30(30世代)を超えるアユもあったという。

今回の親アユは昨年3月に相模湾で採捕され、試験場で育てられた天然アユ(F0)の子(F1)になる。アユ配布先の漁業協同組合関係者から「数十世代にわたって長く飼われてきたアユは人に慣れすぎて、野性味に欠ける」などの指摘を受け、試みでF1アユを初めて採卵に使った。

同試験場の利波之徳場長は「今回の生産がうまくいけば、来年以降も人工の生産環境ができるだけ短いF1、F2を親アユとして繰り返し使っていきたい」と話している。

【神奈川新聞】


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