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台風早めの避難模索 19号接近に備え

社会 神奈川新聞  2014年10月12日 03:00

避難所の床に座布団を敷き、横になる自主避難者ら。接近前日の5日に開設され、6日未明に避難してきた人も=6日、三浦市城山町の青少年会館
避難所の床に座布団を敷き、横になる自主避難者ら。接近前日の5日に開設され、6日未明に避難してきた人も=6日、三浦市城山町の青少年会館

首都圏直撃も予想される台風19号の接近をにらみ、避難勧告の発令や避難所の開設準備を早める動きが県内に広がり始めた。横浜市が6日の台風18号で2人が犠牲になった反省から、危険な崖地約200カ所で迅速に勧告を出す方針を決めたほか、明るいうちに避難所を開き、風雨が強まる前の移動を促す自治体も。多数の犠牲者が出た東京・伊豆大島や広島の土砂災害の教訓を踏まえ、従来の慎重な対応では住民の命を守れないとの判断だが、課題も出ている。

勾配などの条件から選んだ危険度の高い崖地203カ所について、これまでの「総合的な判断」から「土砂災害警戒情報の発表」をもって避難勧告を出すことを急きょ決めた横浜市。18号で犠牲者が出た現場のうち、中区は勧告が出されず、緑区は土砂崩れが起きた後の発令だった。その教訓を踏まえた今回の改善策により、国が4月に見直した指針で求める「警戒情報で勧告」という基準に沿う形となった。

ただ、その対象世帯数は把握できておらず、周知に不安を残す。市の担当者は「19号が接近する前に、広報車の巡回だけは終わらせなければ。とにかく今は最善を尽くすしかない」と危機感をあらわにする。

警戒情報は原則、市町村単位で発表されるため、自治体からは避難が必要な地域を見極めにくいとの声がかねてあった。

18号の際は小田原、南足柄両市や湯河原町などが初めて全域に勧告したが、湯河原町は「本当に避難が必要なのかとの声もあった。今後は対象地域を絞り込むことも考えたい」という。

勧告の前段である避難準備情報を初運用した自治体も多い。避難の準備を促すとともに、お年寄りや障害者ら移動に時間を要する人に早めの行動を求めるための情報だ。

土砂災害の危険がある約8万1千世帯の17万6千人余りに発表した相模原市は19号の際も運用する構え。ただ、「準備情報の意味が分からないという問い合わせもあった。防災無線では詳しい説明はできないが、防災メールなどにリンクを張って意味を確認できるようにする」という。

三浦市は「暗くなる前に避難ができるように」と18号が接近する前日の5日夕の段階で準備情報を発表。避難所を3カ所に開くと、風雨が激しくなる前に身を寄せる住民が相次いだ。

タクシーで向かった女性(83)は「傘を差さなくてもいいぐらいのときに避難した。避難所は眠れないが、安心はできる」と実感を込めた。市の担当者は「19号も未明に接近するかもしれない。その場合は同様に対応したい」という。

川崎市は18号で勧告も準備情報も発表しなかったものの、担当者は「直撃すれば2週連続となる19号は厳重な警戒が欠かせない。地盤が緩んだままの可能性もあり、対応を前倒しして早めに勧告することも視野に入れている」という。

【神奈川新聞】


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