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危険な崖200カ所リスト化 避難勧告 迅速に 台風19号に備え/横浜市

社会 神奈川新聞  2014年10月09日 03:00

横浜市は、台風18号で2人が土砂崩れで犠牲になるなど市内で土砂被害が相次いだことを受け、事前に危険度の高い崖を選定する。選定した崖地では、県、気象台からの土砂災害警戒情報が発表されると、ほぼ同時に区役所が避難勧告を発令する。接近が予測される台風19号に備えた緊急対応で、市は現在、リストアップ作業を進めている。約200カ所の崖が対象になりそうだという。

市は台風18号で、鶴見、磯子、戸塚、緑区で崖崩れの避難勧告を出している。しかし、修行僧の男性(25)が死亡した中区の現場は避難勧告は出されず、男性会社員(30)が死亡した緑区の現場周辺は、土砂崩れが起きた後に避難勧告が出された。

市の場合、土砂崩れの避難勧告は気象庁と県の土砂災害警戒情報や「小石が落ちてきた」「濁った水が出ている」など周辺住民からの前兆現象の通報を基に、市職員が現場を確認。その上で、過去の災害履歴などを総合的に判断し、各区長が発令している。

ただ、2人が死亡した現場ではともに住民からこうした通報はなく、「総合的な判断で勧告は出さなかった」(担当者)という経緯があった。

今回の緊急対応では、県が指定する土砂災害警戒区域(市内2431区域)内にある計9815カ所の崖のうち、高さ15メートル以上や住宅との近さといった立地条件を図面などで確認し、危険度の高い場所をリスト化する。併せて緑区の土砂崩れ現場で発覚したような市から指導を受けていながら是正されていない違反宅造地(243カ所)も同様に危険場所を精査する。

今週中にもリスト化を終え、区役所に配備するとともに該当する地域住民に周知していく。避難所は近隣の小学校を想定している。

◆きめ細かな対応不可欠(解説) 台風や近年目立つ局地的な豪雨による土砂災害への対応が大きな行政課題となっている。横浜市も実効性のある避難勧告のあり方について議論を進めるさなかで、2人が死亡した今回の土砂災害は起きた。

市内の土砂災害警戒区域は2431に上り、県内最多。区域内の崖は約9800カ所にも及ぶ。

国は土砂災害警戒情報が出た段階での「空振りを恐れない早めの発令」を求めているが、横浜市の場合、警戒情報は「北部」「南部」単位で出される。「ともに警戒情報が出れば、全160万世帯が対象。現実的ではない」(危機管理室幹部)。ポイントを絞らず広範囲に勧告した結果、住民に負担を生じさせるだけでなく避難所が確保できなければ、かえって混乱を招く、というわけだ。

また、横浜は、広島市のように大きな山を背負い、沢を一気に流れ落ちる地形ではなく、小規模な崖地がモザイク状に存在しているのが特徴だ。

よりきめ細かな対応が求められているだけに、市は6月から約9800カ所の危険度判定をするための崖地調査に着手。今回の土砂災害を受け、ピッチを早め3年ほどで完了させる方針だ。さらに、土砂災害ハザードマップを更新し、来年度には全戸配布する。

今回の危険度の高い崖地のリストアップは、あくまで接近する台風19号に備えた暫定的な対応である。

今後、現地調査などを踏まえた、より精度の高い情報をいかに円滑に地域に伝え、避難に生かせるか。模索が続いている。

【神奈川新聞】


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