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拓け若い力!横浜農業 vol.4 角田隆洋さん
新鮮な卵のおいしさを、もっと多くの人に届けたい

神奈川新聞  2014年10月09日 00:00


 横浜市は面積の約7%が農地。農業を守り、新鮮な農畜産物を市民に提供し続ける全国でも例のない大都市です。その先頭で活躍する若い農業者をご紹介します。


角田 隆洋さん かくだ・たかひろ。32歳 2年前、代表取締役に就任。スイーツの製造販売を企画し 軌道に乗せるなど、新たな取り組みにも積極的に挑戦。
角田 隆洋さん かくだ・たかひろ。32歳 2年前、代表取締役に就任。スイーツの製造販売を企画し 軌道に乗せるなど、新たな取り組みにも積極的に挑戦。

養鶏を通して社会貢献を
 約4万羽の鶏を飼育し、契約農場と合わせ、毎日約6万個の卵を出荷している(株)コトブキ園。代表取締役として経営の舵を握るのは、32歳の角田隆洋さんです。

 2年前、ちょうど30歳になったときに、父の克己さんから「これからは代表権を持ってもらう」と宣言されました。「自分の基盤を築くには、若い時に責任を持つこと。夢がなければ不満だけで終わる」と克己さん。隆洋さんが家業を手伝い始めたのは22歳の時、人手不足のためでした。「経営にずっと興味を持っていました。養鶏を通じて人に役立つことをしたい」と引き継ぐことを決意しました。

祖父が昭和22年に横浜市内の自宅で始めた養鶏を父が受け継ぎ、現在に至る経営の基礎を築きました。手狭になった養鶏場を現在の相模原市に移し、飼料を工夫して栄養豊富な「長壽卵」「恵壽卵」をブランド開発して、お客さまに喜んでもらっています。「私も三代目として事業をしっかり引き継ぐのはもちろん、私なりのやり方で、お客さまに笑顔をお届けし、社会に貢献したいと思っています」


パッキングセンターで卵の状態を見る父の克己さんと隆洋さん 長壽卵、恵壽卵に続く、隆洋さんが企画する卵をつくる目標もある。
パッキングセンターで卵の状態を見る父の克己さんと隆洋さん 長壽卵、恵壽卵に続く、隆洋さんが企画する卵をつくる目標もある。

直売所で新たにスイーツの製造・販売を開始
 隆洋さんが新たな事業として企画したのは、新鮮でおいしい卵を使ったスイーツを販売することでした。コトブキ園が養鶏場を構える地域には多くの養鶏農家が集まっており、卵の直売所が何軒も並んでいます。養鶏農家のグループで「たまご街道」と名付けてPRしています。移転して建て替えた直売所「農場の家」に厨房(ちゅうぼう)設備を設けて、オリジナルのシュークリームやショートケーキなどをパティシエと共に開発しました。「卵は比較的高い年齢層の方に買っていただいていますが、若い世代にも新鮮な卵のおいしさをアピールしたいと思い、スイーツに目をつけました」

 そばで父は「調理の免許も経験もない。大丈夫か?」と思ったそうですが、隆洋さんは「自分ができないことは、それを任せられる適任者を探せばいい」が持論。やがてスタートした事業は予想以上の反響を呼び、たまご街道で買えるスイーツは、すぐに評判となりました。

 さらに隆洋さんには、取り組んでいるプロジェクトがあります。それは新たに横浜の地鶏をつくること。「私は横浜が大好きですが、地鶏と呼べる鶏がいません。『横濱鶏』の登録商標も取りました。まだまだ少量なので、物量を増やせるよう努めたいと思います」

 「親と子が同じことを考えていたら変化も発展もない」と経営を見守る父。その無言の励ましを背に、隆洋さんのフレッシュな挑戦が続きます。

JA横浜の黒沼利三 代表理事副組合長が語る!横浜農業の

魅力


養鶏場で鶏と卵の様子を見る黒沼副組合長(右)
養鶏場で鶏と卵の様子を見る黒沼副組合長(右)

 時代の流れに合わせた新しい取り組みで、コトブキ園は発展を続けています。そして安全・安心に配慮し、独自に配合した飼料により自社ブランド卵「長壽卵」「恵壽卵」の生産に努めながら、横浜の新しい食文化を作り出そうとしています。このように都市化の厳しい環境の中で、養鶏農家も研究を続け、大いなる夢を持って取り組んでいます。



企画・制作:神奈川新聞社クロスメディア営業局


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