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【社説】就学援助の縮小 子どもを追い詰めるな

社会 神奈川新聞  2014年09月29日 09:27

生活保護基準の引き下げに伴い、2014年度から全国で71の自治体が「就学援助」の支給対象を縮小させている。

その一つである横浜市では、引き下げ前の基準であれば就学援助を受け取ることのできた977人の子どもが対象外になった。

このうち、前年度は就学援助を受けていたが、基準引き下げで本年度は援助が受けられなかった子どもは762人に上った。

「子どもの貧困」が注目され、支援が唱えられて久しい。だが、横浜市の例のように支援が縮小されている現状がある。これでは貧困が拡大するばかりではないか。

977人の児童生徒の学校生活に暗い影が差しはしないか心配だ。経済的に苦しい家族、子どもたちを追い詰めてはならない。

就学支援は、義務教育の機会均等を保障する制度だ。生活保護を受給する「要保護」世帯と、生活保護世帯に近い困窮状態にある「準要保護」世帯が対象。準要保護は市区町村がそれぞれの基準で認定する。

今回のような影響が生じたのは、国が昨年8月から来年4月までに3段階で生活保護の基準を引き下げることに起因している。

生活保護基準は、その他の生活支援施策の支給基準の目安となっており、就学支援もその一つだ。多くの自治体が生活保護基準額に一定の係数を掛け、準要保護の認定基準としている。

文部科学省が6月に公表した調査では、全国1768自治体のうち、従来の基準を維持し、影響が出ないよう対応した自治体は1117自治体あった。ただ、来年度は基準を下げ、就学援助を縮小する自治体の増加も懸念される。

就学援助を受ける公立小中学生は2012年度、全体の15・64%(155万2023人)を占め、過去最高となった。1995年の調査開始以降、17年連続で上昇している。

6人に1人の子どもが就学援助制度を利用するという現状をあらためて見つめ直したい。平均的な所得の半分を下回る世帯で暮らす18歳未満の子どもの割合を示す「子どもの貧困率」も2012年時点で16・3%と過去最悪を更新した。

物価上昇に賃上げが追い付かず、生活は一層厳しさを増している。

子どもの貧困対策を逆行させてはならない。

【神奈川新聞】


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