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神奈川県基準地価 全体は底上げ 川崎の上昇やや鈍化

経済 神奈川新聞  2014年09月19日 03:00

再開発が進む武蔵小杉駅前=川崎市中原区
再開発が進む武蔵小杉駅前=川崎市中原区

2年連続で住宅地の平均変動率が上昇した神奈川。上昇地域がさらに広がるとともに、下落地域の多くでもマイナス幅が縮小。「上昇の動きが面的に広がったことで、県全体の地価が底上げされた」(浜銀総合研究所の湯口勉主任研究員)。そのけん引役は横浜と川崎の2市。ただ横浜市はほとんどの区が前年を上回る上昇率になったのに対し、川崎市はその上昇傾向が前年に比べるとやや鈍化した。

横浜市全体の住宅地の平均変動率は、プラス1・7%。上昇幅が前年(同1・1%)からさらに拡大した。前年横ばいだった瀬谷区が上昇に転じ、18区すべてがプラスに。前年と同率だった港南区を除く17区が、前年を上回った。

交通利便性が高く、住環境の良好な港北区や都筑区が同2・7%。商業施設の多い港南台駅付近や、京急と市営地下鉄の2路線が利用できる井土ケ谷駅徒歩圏、日吉駅徒歩圏など、横浜市内の八つの基準地が上昇率トップ10に入った。

一方の川崎市。横浜と同様、7区すべてで上昇し、市全体の平均変動率は前年(同1・4%)を上回る同1・5%だった。

ただ区ごとに見ると、上昇率が前年を上回ったのは川崎、幸、麻生の3区。地価上昇を先導していた中原区は同2・8%で、高い数値であるものの、前年(同3・1%)は下回った。湯口主任研究員は「高値への警戒感が高まり、変動率の改善ペースがやや鈍った」と分析する。

中原区にある武蔵小杉駅周辺では再開発が進み、マンション建設が相次ぐ。だが国内では人手不足もあって建築費が高騰。マンション価格への転嫁が進んだため、「消費者の手が届きにくくなり、開発業者の事業姿勢も慎重になっている」(湯口主任研究員)。この状況下でさらに土地の価格を上げれば、消費者の購入意欲はしぼむ。県土地水資源対策課は「中原区の住宅地はそろそろ(上昇の)天井ではないか」とみる。

ただ「鈍ったと言っても、地価が下落に転じたわけではない」とは不動産経済研究所。「人気エリアは変わらず良い状態が続いており、今後も安定した状況は続くだろう」と予測している。

◆湘南地域沿岸部「抵抗感薄れ下げ止まり」

東日本大震災発生後、津波被害の懸念から下落が続いていた湘南地域の沿岸部の住宅地は、今回の調査で横ばいとなった。また工業地は、6月に相模原愛川インターチェンジ(IC)が開通した圏央道(さがみ縦貫道路)周辺などの物流適地を中心に、やや高めの上昇率となった。

海に近い湘南地域の沿岸部は人気が根強く、価格が高止まりして下がりにくい傾向にあった。だが震災後の2012年の地価調査で、鎌倉市の長谷2丁目や腰越3丁目、藤沢市の鵠沼海岸6・1丁目や辻堂東海岸4丁目は4%前半から3%後半の下落率を記録。翌13年もマイナス幅は縮小したものの、下落率は2%前半から1%後半だった。

だが今回の調査で、いずれの変動率も0・0%に。県土地水資源対策課は「沿岸部への抵抗感が薄まり、今は『下げ止まり』の状況と思われる」と説明した。

一方、工業地の平均変動率はプラス1・2%。34の継続地点のうち、下落したのは1地点だった。

東名高速道路の厚木IC近くの地点が3・5%で上昇率トップ。愛川IC近くの地点が3・0%だった。また臨海部の物流需要を反映し、横浜市金沢区幸浦2丁目(3・2%)や川崎市川崎区浮島町(2・5%)が高い上昇率を示した。

【神奈川新聞】


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