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防災無線がない横浜市 緑区の住民自ら発信役 自治会運用始める

社会 神奈川新聞  2014年09月18日 03:00

中山町自治会館に設けられた防災無線の基地局。携帯型の装置も備え、避難所などからも放送可能
中山町自治会館に設けられた防災無線の基地局。携帯型の装置も備え、避難所などからも放送可能

県内の市町村で唯一、防災無線がない横浜市で、緑区の中山町自治会が自前で整備を進めていた無線システムが完成し、運用が始まった。放送担当の住民を輪番制とし、地元消防などから得た緊急情報や地域に密着した情報を自治会館から発信するというユニークな試みだ。本来は公助の防災無線を共助で整えたのは、住民の高齢化が進む中、メールやインターネットだけでは、命を守る情報が行き渡らないという問題意識がある。

約5500世帯、約1万2800人が居住する中山町は、JR横浜線中山駅付近に線路を挟んで広がる。内陸に位置するため津波の危険はないが、北側に恩田川が流れ、崖地も存在するため、地震や気象災害のリスクは小さくない。

そのほぼ中心に位置する自治会館に無線の発信元となる基地局を整備したのは今年3月。同会館のほか、地元の小学校や公園など6カ所にスピーカーを置き、音声が満遍なく行き届くようにした。整備に要した2850万円は自治会の積立金を充てた。

4月から運用を開始し、9月に入ってから地元消防と情報提供に関する協定を締結。気象警報や河川の水位情報、避難勧告などが発表された際は、自治会の役員が区や消防からファクスや電話で連絡を受けることになった。約30人いる放送担当の住民の中からその日の担当者が会館に向かい、緊急放送を行う。停電時のためにバッテリーも備えており、住民が「情報過疎」に陥らないよう工夫している。

また、災害発生後は建物の倒壊や道路被害、電車の運行や支援物資の配布状況など地元に密着した情報を独自に放送し、混乱回避や二次災害の防止を図る。駅に近いスピーカーのみを利用して、帰宅困難者向けに情報を流すことも可能という。

そうしたきめ細かい情報を集約するため、無線設備とは別に、携帯無線機も9台配備した。災害時は住民が手分けして巡回し、自治会館や避難所に状況を報告する。

「防災無線がなければ一軒一軒伝えて回る以外に方法がなかった。費用はかかったが、住民の安全安心には代えられない」と中山町自治会の相原磯光会長。これまでのところ緊急放送を行った実績はないが、防犯の呼び掛けなどに活用している。

横浜市は沿岸部で津波警報伝達システムを整備しているが、(1)市内は起伏が激しく、電波が届きにくい地域が多い(2)整備費用が多額-などの理由から防災無線を整備していない。同自治会は2008年から市に設置を働き掛けてきたもののかなわず、東日本大震災後の12年5月に自治会の総会で合意。自前での整備を進めていた。

【神奈川新聞】


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