1. ホーム
  2. 経済
  3. 太陽光を農業維持費に 「ソーラーシェアリング」

太陽光を農業維持費に 「ソーラーシェアリング」

経済 神奈川新聞  2014年09月16日 03:00

畑の上に設置された太陽光パネルで発電しながら、農作物も育てられるソーラーシェアリング方式の発電所=茅ケ崎市西久保
畑の上に設置された太陽光パネルで発電しながら、農作物も育てられるソーラーシェアリング方式の発電所=茅ケ崎市西久保

農作物を育てながら発電もする「ソーラーシェアリング」方式の太陽光発電が、茅ケ崎市西久保で行われている。畑の上にパネルを並べ、太陽光を発電と農業で分け合う仕組み。都市農業ではかさみがちな維持管理費に売電収入を充てられるのがメリットで、災害時の非常用電力としても活用できる。心配された農作物も順調に育っており、地元農家の期待感も高まっている。

発電所があるのは、公有地を住民が管理して畑などに活用している公園「五郎兵衛コミュニティー・パーク」。約10メートル四方の畑に高さ約2メートルの架台を置き、縦158センチ、横29センチの太陽光パネルが72枚並べられている。自然エネルギーの普及啓発に取り組むNPO法人「ちがさき自然エネルギーネットワーク」が今年4月に設置。約130万円の設備費には寄付金などを充てた。

「ソーラーシェアリング」とは文字通り、太陽光を分け合う(シェア)すること。畑の農作物にも太陽光が届くよう、パネルは約60センチの間隔を空けて設置。川崎市に住む長島彬さんが2003年に発案した。

発電を開始した4月下旬から1カ月間の総発電量は、約640キロワット時。電力は畑に併設された井戸水のくみ上げに使用する以外は東京電力に売電する。パネルは畑の上部の3分の1ほどのため発電量は多いとはいえないが、年間収入は約16万円と見込み、初期投資分は数年で回収できる見通しだ。

畑では、サツマイモとサトイモを栽培。サトイモは日陰でも育ちやすい一方、サツマイモは十分な日光が必要だが、どちらも通常の畑と変わらず順調に育っているという。

都市部の農業は消費地が近いメリットがある半面、地方に比べ固定資産税が高いため維持費がかさむ。地元農家は「売電で副収入が得られれば安心。農地をすべてつぶして太陽光発電するのではなく、農業しながら発電できるのはいい」と期待する。

通常の農地に太陽光パネルを設置するには農業委員会の「農地転用」の許可が必要になるため、普及はこれからだが、同法人代表の上野ひろみさんは「発電具合や作物への影響を確かめ、神奈川でもっと広めていきたい」と強調。「携帯電話なども充電できるため、防災面でも活用できる」と話している。

【神奈川新聞】


シェアする