1. ホーム
  2. 社会
  3. 【照明灯】段葛の再整備工事

【照明灯】段葛の再整備工事

社会 神奈川新聞  2014年09月14日 09:36

鶴岡八幡宮の社前に真っすぐ延びる「段葛(だんかずら)」は、やはり春がお薦めである。参道両側に植栽された約250本の桜が低く枝を伸ばした薄紅色のトンネルは見事だ。千鳥ケ淵のような絢爛(けんらん)さはないが、落ち着いた趣がある▼葛石を積み上げ一段高くした道は境内に向かうにつれて幅が狭くなり、実際より長く見える遠近法が用いられている。そのせいで、約460メートルの桜並木もずっと先まで延びているように錯覚する。夜桜はとりわけ幻想的である▼段葛の再整備工事が11月にも始まる。約1年半かけ、ひび割れが目立つ石積みを補強し老化した桜の木を植え替える。桜を180本程度に減らし、低木のツツジの植栽はなくすといい、景観も変わりそうだ▼歴史をひもとけば、源頼朝が妻の政子の安産祈願で築いてから800年以上の間、その姿を幾度か変えてきた。当初は由比ケ浜まで延びていたが、大地震や横須賀線開通により二の鳥居以南はなくなった。松に代わり桜が植栽されたのは100年ほど前だ▼計画にはさまざまな意見もあるようだが、地域にとっては参道というよりまちづくりの核となる存在なのだろう。住民に歓迎される再整備であってほしい。生まれ変わった姿で春を感じさせてくれる日を楽しみに待ちたい。

【神奈川新聞】


シェアする