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鎌倉・鶴岡八幡宮の段葛 横断開口部、大幅減も 11月にも再整備着工

社会 神奈川新聞  2014年09月12日 10:00

11月から再整備工事が始まる段葛。東西へ横切れる開口部は箇所数が減る見通しだ=鎌倉市小町
11月から再整備工事が始まる段葛。東西へ横切れる開口部は箇所数が減る見通しだ=鎌倉市小町

観光客でにぎわい、国史跡にも指定されている鎌倉・鶴岡八幡宮の参道「段葛(だんかずら)」(約500メートル)の再整備工事が11月にも始まる。ひび割れが進んだ石積みの補強や、老化した桜の植え替えなどを実施する計画だが、地元住民や観光客が横断のために利用していた36カ所の開口部は大幅に減る可能性がある。史跡保全や安全確保が理由だが、住民らからは「不便になる」など困惑の声も上がっている。

同宮や鎌倉市教育委員会文化財課によると、再整備は11月から2016年3月ごろまでの予定。現在約250本あるソメイヨシノなどの桜は大正時代に植えられたものが多く、立ち枯れした幹も目立つため、再整備では育成に適した180本程度に減らす。また桜とともに植えられているツツジは桜の育成を阻害するとして撤去、東日本大震災の被災地などに移植する。完成後は景観も大きく変わる見通しだ。

段葛両側の県道をまたいで東西を行き来できる開口部は現在計36カ所あるが、大幅に減る可能性がある。11日に会見を開いた同宮は、「地元の意向を斟酌(しんしゃく)し、できるだけ希望に沿えるよう努力している」と明言を避けたが、複数の関係者によると、これまでに8カ所案や12カ所案が浮上していたという。

住民や観光客からは往来の利便性をめぐり困惑の声も聞こえてくる。

段葛の西側の店で働く20代の男性販売員は、仕事の日は「ほぼ毎日、段葛を横切る。横道が減るのは不便」。段葛東側にある飲食店の60代の女性従業員は「桜並木がきれいになるのはうれしい」とする一方、「客がこちら側へ来なくなるかもしれない」と話した。静岡市から観光で訪れた男性(40)は「東側へはあまり行かなくなる」と漏らした。

再整備案の背景には、段葛が社殿に向かうための参道で横切るものではないとする信仰上の考えとともに、開口部が横断歩道のない県道の乱横断を助長している実態があるようだ。同宮は再整備の目的に「参道としての森厳や史跡の保全」を挙げている。

吉田茂穂宮司は会見で、「市民の生活道路ということも念頭にある」と配慮する一方、「歩道のない場所へ誘導する施設を作るのは困るという意味合いが交通行政上ある」とも強調した。

同宮によると、地域住民向けの説明会で調整を続けていることもあり、着工は当初予定の10月からずれ込んでいる。同宮は12日にも説明会を開催。そこでの意見も踏まえ、最終的な再整備計画を決定する。段葛は着工から工事完了まで、全体が高さ約3メートルの囲いで覆われ、通行できなくなる。

【神奈川新聞】


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