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検証・林市政 2期目1年を越え(下)国と連動し経済振興へ大胆投資

政治行政 神奈川新聞  2014年09月06日 12:30

新たな中期計画を発表する林市長 =8月28日、横浜市役所
新たな中期計画を発表する林市長 =8月28日、横浜市役所

「住民が納得するまで調査しない約束だ」。横浜市栄区庄戸地区の住民約100人が、東日本高速道路(東京・千代田区)の担当者を取り囲んだ。8月25日、住民からの抗議を受けながら、圏央道「高速横浜環状南線」のボーリング調査が始まった。

3月、同線の事業主体である同社と国土交通省は土地収用法に基づく説明会を開催。ボーリング調査開始の2日後には事業認定を国交相に申請した。強制収容に向けた手続きが着々と進む。

南線など横浜市内を環状につなぐ「横浜環状道路」の整備が今年に入り、動き始めている。市は5月の第2回定例会で、横浜環状北西線のトンネル工事を首都高速道路に約456億円で委託契約する議案を提案、可決された。2016年開通予定の横浜環状北線とともに市は北西線の整備を急ぐ。見据えるのは東京五輪開催の20年だ。

一方、沿線住民は「南線などは30年も前に計画された事業。人口減社会の今、本当に必要な道路か」と疑問を膨らませる。

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横浜環状道路関連の整備費は前年度から49億円増の191億円。神奈川東部方面線などの鉄道網整備は前年度5倍超の38億円、横浜港の国際競争力強化に向けた「国際コンテナ戦略港湾」整備関連は約8割増の165億円…。

「横浜市の目指す方向が相当見える力強い内容」。1月30日、2期目初年度となる2014年度予算案の発表会見。林文子市長が自賛した予算は、政府の進める国土強靱化策、経済成長策に歩調を合わせるような大型公共事業が目立った。

半月後の2月14日の施政方針演説でその姿勢は一層鮮明に語られた。「国は政策を掲げ、法や制度をつくりますが、それを実行し成果を市民に届けるために現場で汗を流すのは、私たち基礎自治体です」

現政権が成長戦略の一つとして進めようとしているカジノ解禁についても、今年初めに誘致に向けて検討する方針を示している。

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8月28日に市長が発表した中期計画(14~17年度)は「未来への可能性を切り拓く投資」をうたい、新市庁舎整備、経済界からカジノを含む統合型リゾート(IR)の青写真が示された山下ふ頭の再開発など都心臨海部の再生に力点を置く。

4年間の事業費は総額1兆3500億円を見込み、前中期計画(10~13年度)から4700億円増。市債発行も前年度比5%減とする従来方針を転換し、4年間で1千億円増の6千億円を上限に据えた。

林市長は「子育て支援や福祉、医療、教育に力を入れてきた。しかし、施策は経済振興がなければなしえない」と「大胆な投資」の理由を力説する。

市会の受け止めはどうか。

自民党市議団の梶村充団長は「市庁舎や文化体育館など老朽化した都市インフラの整備にしっかり対応している」と評価。一方で「国家戦略特区などでもっと民間を生かす視点が欲しい」と注文を付けた。

共産党市議団の大貫憲夫団長は「人口減など解決すべき課題認識は同じだが、大型公共事業のために市債をどんどん発行するのは問題。横浜は国の下請けになっている」と批判。「中学校給食の実施や小児医療の拡充など地道な施策で生産年齢人口を増やすべきだ」と指摘した。

【神奈川新聞】


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