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大佛次郎「パナマ事件」 寄贈生原稿を初公開

カルチャー 神奈川新聞  2014年08月27日 10:00

直筆原稿や挿絵原画が並ぶ「大佛次郎の『パナマ事件』」コーナー=大佛次郎記念館
直筆原稿や挿絵原画が並ぶ「大佛次郎の『パナマ事件』」コーナー=大佛次郎記念館

ことし開通100年を迎えたパナマ運河をめぐる疑獄事件を描く大佛(おさらぎ)次郎のノンフィクション「パナマ事件」。同作品の直筆原稿の展示が26日、横浜市中区の大佛次郎記念館で始まった。6月に担当編集者の遺族から記念館に寄贈された生原稿や挿絵などから15点が、初めて公開されている。

同作品は、「鞍馬天狗」で知られる大佛がフランス第3共和制を題材とした“フランス4部作”の一つ。1959年に誕生した朝日ジャーナルの創刊号から連載された。構想は戦前に練っていたが、議会政治の腐敗が題材であったため軍部を利することを恐れ、すぐには執筆に取り掛からなかったという。

パナマ運河は、フランス人レセップスが1880年に着工したが、厳しい自然条件や見通しの甘さから工事は難航。資金獲得のための宝くじ付き社債発行許可を求めて政治家に多額の金が渡り、のちに一大スキャンダルとなった。同作品は、保身と政争に明け暮れる議会政治の姿を資料を基に克明に描く。

寄贈された生原稿は全27回分で、担当編集者の遺品を整理していた遺族が発見した。記念館の安川篤子専門員は「大佛は異国の出来事に託して、日本の社会の在りようを書いた。開通100年の年に原稿が発見されたのは運命的なものを感じる」と話している。

12月25日まで。途中展示替えあり。月曜(祝日の場合は翌火曜)と11月17~19日は休館。問い合わせは同館電話045(622)5002。

【神奈川新聞】


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