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【社説】学校司書 増やそう本のソムリエ

社会 神奈川新聞  2014年08月25日 10:31

学校司書の存在があらためて注目されている。配置した学校では貸し出し数が増え、学習意欲が向上するなど顕著な効果が出ている。

これまで制度上の配置根拠がなかったが、6月に成立した改正学校図書館法で各学校への配置が努力義務として定められた。

多くの本を読み、自分の頭で考える。読書は知的な好奇心を刺激し、さらなる学びを促す。教え込まれるだけではなく、自ら物事を調べ、思考する力がつく。

読書活動に後ろからそっと手を添える。学校司書は、子どもたちにとって「本のソムリエ」と言える。

文部科学省によると、全国で学校司書を配置している小中学校は約5割ほどに上る。今回の法改正を機に各自治体は大いに導入を進めてもらいたい。

学校図書館法は、一定規模の小中高校に司書教諭を置くことを定めている。だが、司書教諭はクラス担任を兼ねていることも多く、図書館業務に手が回らない。それを補っているのが学校司書だ。

横浜市では昨年10月から非常勤特別職として学校司書の採用を始め、4月までに市立学校全500校のうち250校に配置。2016年度までに全校での導入を目指す。

データの管理が正確な56校で年間の平均貸し出し数を比べたところ、13年度は4989冊で、導入前の12年度の3440冊から1・45倍となった。中には2・65倍も増えた小学校もある。学校図書館に優れたスタッフが入ることで、子どもの読書欲が刺激された好例だろう。

読書好きの子どもは学力調査の成績が良いという傾向もある。子どもたちは本を進んで読み、自分で物事を学び取っていくようになる。学校司書がいることで学校図書館を常時開放でき、いつでも本と触れ合うことができる。

本の管理、調べ学習の手助け、教諭が授業で使う資料の準備、読み聞かせなど学校司書が担う仕事は多岐にわたる。

導入は1校に1人が望ましい。複数校の兼任では図書館の常時開放が難しくなるからだ。司書同士が交流し、スキルアップできる研修の場も設ける必要があるだろう。

待遇もしっかり整えたい。経験の蓄積が生かせるよう、常勤化や正規雇用を図り、継続して働ける環境にしていくことも重要である。

【神奈川新聞】


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