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〈時代の正体〉差別撤廃は自治体の責務 ヘイト根絶へシンポ横浜

時代の正体 神奈川新聞  2016年12月02日 02:00

差別撤廃へ自治体の役割を論じたシンポジウム=横浜市社会福祉センター
差別撤廃へ自治体の役割を論じたシンポジウム=横浜市社会福祉センター

【時代の正体取材班=石橋 学】差別のない社会を築く手だてを考えようと「ヘイトスピーチを根絶し、共生社会を実現するために」と題したシンポジウムが1日、横浜市中区で開かれた。神奈川人権センターの主催で自治体職員が多く参加する中、ヘイトスピーチ問題に詳しい師岡康子弁護士らが登壇し、地方行政が果たすべき役割について論じた。

 師岡弁護士は差別を禁止し、終了させる義務を明記した国連の人種差別撤廃条約を引き、「差別をなくす施策や法令整備は地方公共団体にも課せられた義務」と指摘。さらに、6月施行のヘイトスピーチ解消法の意義について「深刻な差別の存在を認め、外国人の人権を守る初の法律」と解説した上で、「法の実効化には条例などで具体化する必要がある。国は基本方針を示すことが求められる一方、住民の人権を守るため自治体が先頭に立って国を動かしていくべきだ」と人種差別を禁じる条例づくりの必要性を説いた。

 在日コリアン集住地区でヘイトデモの被害を受けた川崎市川崎区桜本から崔(チェ)江以子(カンイヂャ)さん(43)も招かれ、マイクを握った。抗議に立ち上がったことでインターネット上で誹(ひ)謗(ぼう)中傷を受け続けていることを明かし、「生きていることを否定され、生きることを諦めたくなる。差別は人を殺す」と回復困難な被害の深刻さを訴えた。同市では条例づくりとともにネット対策の検討が始まっているが、「川崎だけの問題ではない。未然防止に英知を絞る役目が行政と社会全体に求められている」と議論の広がりを呼び掛けていた。


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