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  3. 変わる街 圏央道 開通1カ月 大幅時間短縮で効果は
お盆休みで混雑する圏央道の厚木PA(内回り)=厚木市山際、奥の上を走る道路は本線
お盆休みで混雑する圏央道の厚木PA(内回り)=厚木市山際、奥の上を走る道路は本線

首都圏中央連絡自動車道(圏央道)の相模原愛川インターチェンジ(IC)-高尾山IC間が開通から1カ月余り。国土交通省と中日本高速道路が発表した交通状況によると、東名高速と中央道、関越道の三つの高速道路がつながった効果が表れ始め、東名-関越間の乗り継ぎで都心を経由する車が激減した。利用者も交通の便がよくなったと、“圏央道効果”を実感している。

■お盆休みは満杯

開通に合わせ、商業施設がオープンした圏央道の厚木パーキングエリア(PA、厚木市)。お盆休みに、満杯状態の駐車場で休憩中の大型トラックの男性運転手(43)は「こっちは車が流れているので楽だね」と、千葉県から静岡県に向かうのに圏央道を選んだ。首都高速の渋滞を避けるための利用だ。

東名-関越の乗り継ぎで都心を経由する交通量が、今回の開通前は全体の約9割だったのに対し、開通後は約3割と大幅に減った。都心の混雑を避けるため約6割が圏央道を利用した。

大型車の一般道利用は約8割から約2割に減り、多くは圏央道を利用していることが、自動料金収受システム(ETC)のデータ分析で分かった。

一般ドライバーも今回の開通を大歓迎。外回りの厚木PAで、平塚市の大学に通う長女(18)を夏休みで迎えに来た帰りという前橋市の男性(47)は「これまでは高尾山ICで降りて厚木まで一般道だったので時間がかかった。圏央道がつながり大変便利になった」と、大幅な時間短縮を喜ぶ。

■観光面も手応え

圏央道開通は、観光にも効果をもたらしている。相模湖そばのアミューズメントパーク「さがみ湖リゾートプレジャーフォレスト」(相模原市緑区)は、開通後に絶叫系アトラクションを開業させるなど集客増に力を入れる。運営する富士急行は「(東名を使って)期待した横浜方面からの来場者が増えた」と手応えを感じている。

相模原愛川ICに近い相模原市の相模川では3日、初めて鮎友釣り大会が開かれた。半数を占めた市外からの参加者で、目立ったのが埼玉方面からの釣り人だ。市観光協会は「圏央道がつながったことで、参加しやすくなった。埼玉からでも数十分で来られたと聞いた」と集客効果を口にした。

■登山客呼び込め

ただ、今月初めの厚木市の鮎まつり(来場70万人)は例年と変わりなく、県外ナンバーはほとんどなかったという。同市など周辺5市町村が連携、アウトドア総合ブランドの「モンベル」の会員向けエリアに登録。厚木などを特集した旅行情報誌「るるぶ」もリニューアルされて「秋の紅葉シーズンに向けて登山客を呼び込みたい」(厚木市)考えだ。国交省が7月末に発表した、厚木PAのスマートICの新設にも期待が集まる。

■一般道では微妙

開通区間に並行して走る一般道の交通状況をみると、国道16号の淵野辺交差点(相模原市中央区)は開通前後で交通量に変化はなかったが、国道129号の田名赤坂交差点(同区)は約1割減少した。八王子バイパスも約1割減った。

一方で相模原愛川ICに近い国道129号の山際交差点(厚木市)は、同ICの利用などで交通量が3割近く増えた。

海老名IC(海老名市)では利用台数が増え、周辺道路の渋滞が悪化。市は8日、交通関係者による対策会議を開き、改善に向けた取り組みを始めた。現在のところ、開通のメリットよりもデメリットが先行している。

【神奈川新聞】


圏央道の6月28日開通区間(共同)
圏央道の6月28日開通区間(共同)

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