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学校司書配置に効果 本貸し出し1.5倍 横浜市、16年度までに全500校へ

社会 神奈川新聞  2014年08月19日 15:55

学校図書館で季節や行事、授業などと関連する本を展示、紹介している学校司書の女性=横浜市泉区の緑園東小学校
学校図書館で季節や行事、授業などと関連する本を展示、紹介している学校司書の女性=横浜市泉区の緑園東小学校

児童の読書意欲の向上を目指し、横浜市が昨年10月から導入している「学校司書」の効果が表れ始めている。4月までに市立学校全500校中、250校に配置。うちデータ管理が正確な56校で、本の貸し出しは約1.5倍に増えたという。司書配置に伴う学校図書館の常時開放や授業支援の成果とみられ、市は2016年度までに全校へ導入する方針だ。市教育委員会の担当者は「学校図書館の整備・充実に加え、授業や学習支援による児童の学力向上に期待したい」と話している。

同市教委によると、学校司書は非常勤特別職として1校に1人採用。週5日、年175日程度の勤務で時給1100円。従来、各校にいる司書教諭はクラス担任などが兼任するケースが大半だが、学校司書は専任で学校図書館の蔵書管理や、児童の調べ物の手助けなどを担う。

昨年5月の市会本会議で「横浜市民の読書活動の推進に関する条例」が可決したことなどを踏まえ、市は計250校の市立小・中学校、特別支援学校で導入。学校司書の約8割が読み聞かせボランティア経験や図書館、学校での勤務経験があるという。

データ管理が正確な56校で年間の平均貸出冊数を比べたところ、13年度は4989冊で、導入前の12年度の3440冊の1・45倍に伸びた。

泉区の市立緑園東小学校(副島江理子校長)は効果が顕著に表れた。昨年10月から半年間の貸し出し総冊数は2804冊となり、前年同期比で約2・65倍に増えた。同校では、学校司書による図書館整備に加え、授業支援にも力を入れる。学級担任と連携して授業に参加し、読み聞かせを実施するほか、教材のテーマに関連した本を紹介。専門性を生かし教諭が授業で使う教材集めの手助けや、児童の調べ物のアドバイスをするなどさまざまな形で児童・教諭を支える。

「本当に助かっている」と話すのは、同校で司書教諭と5年生の学級担任を務める女性教諭(41)。手が回らなかった図書館業務を任せることで、図書館がより充実し、児童への指導時間も増えた。

さらに、授業の読み聞かせなどに参加してもらうことで児童の学習意欲も向上。これまで司書教諭や図書委員がいない時間は閉鎖していた図書館が常時開放となったこともあってか、「休み時間に外で遊ぶのではなく、図書室で調べ物をする子どもも増えた。雨の日の休み時間は特に多い」と言う。

大学図書館で約10年間司書として勤め、学校司書になったという女性(39)は「授業に参加することで、子どもの反応がダイレクトに伝わってきて、やりがいがある。“孫の手”のように、先生の手の届かないところをフォローしていきたい」と意気込む。

副島校長は「学校司書の参加で授業が豊かになった。子どもに自ら資料を活用して課題を解決する力を身に付けさせるためにも、学校図書館を情報センター化して探求活動の場にしていきたい」と話している。

文部科学省によると、12年度に専門の学校図書館業務を担当する職員を配置していた全国の小・中学校は約48%で、08年度の約38~39%から増加。同省児童生徒課の担当者は「読書好きの子どもは学力調査の成績が良いという傾向がある」と指摘し、学校司書の導入効果に期待する。

6月には改正学校図書館法が成立。学校司書を配置するよう努力義務が盛り込まれており、今後さらに導入が広がりそうだ。

【神奈川新聞】


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