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JFEエンジ二アリング 農ビジネス本格参入へ TPP見据え新分野挑戦

経済 神奈川新聞  2014年08月19日 12:00

完成したトマト栽培棟(JFEエンジニアリング提供)
完成したトマト栽培棟(JFEエンジニアリング提供)

JFEエンジニアリング(横浜市鶴見区)が農業ビジネスに本格参入した。天候に左右されず、通年栽培できる植物工場を北海道に建設。8月からトマトとベビーリーフの水耕栽培を始めた。将来を見据えて新たな分野に挑戦するとともに、交渉が進む環太平洋連携協定(TPP)を意識して農産物の国際競争力を高めるのが狙いだ。

完成したのはトマト栽培棟(0・5ヘクタール)やベビーリーフ栽培棟(1・0ヘクタール)、エネルギー棟など。寒冷で、道内でも雪の少ない苫小牧市に建設。農業生産法人アド・ワン・ファーム(札幌市)と共同で出資して設立した「Jファーム苫小牧」が運営する。

栽培棟には、高度栽培制御システムを導入している。オランダのメーカー・Priva社が開発したこのシステムは、光合成に必要な光、温度、二酸化炭素(CO2)、養分の4要素がハウス内で生育に最適になるよう制御できる。

そのために必要な電気や熱、CO2は、同社の省エネ技術を活用して生み出す。天然ガスを燃料とするガスエンジンで発電し、その際に出る排熱で温水にし、排ガスを浄化してCO2を取り出す。12月には木質チップを燃料とするバイオマスボイラー設備も敷地内に設け、天然ガスが供給されていない地域でも稼働できるモデルの実証を開始する予定だ。

エンジニアリング会社と農業。一見すると、無関係のように映る。ただ同社の山川敏秀スマートアグリ事業部長は農産物生産事業について「まったくの畑違いということではないんです」と説明する。

同社は水処理や廃棄物処理など、環境やエネルギー分野のプラント建設を得意とする。つまり「環境やエネルギーを“制御”する知見がある」と山川事業部長。「扱うものは農産物でも、生育環境を“制御”すると考えれば、その知見を生かせると考えた」と強調する。

現在、交渉が進むTPPも影響している。「日本の農業には今、向かい風が吹いている」。付加価値の高い、国際競争力のある農産物を一年を通じて生産することで、自社の成長と社会貢献を実現したい考えだ。

栽培棟では、トマト7種、ベビーリーフ11種を栽培し、年間でトマト150トン、ベビーリーフ115トンを生産。品目や品種も増やし、3年後には売り上げ5億円を目指す。さらにバイオマスや地熱などを活用した低コスト型プラントの設計から施工までを一括して請け負う事業(EPC事業)を国内外に展開し、5年後には生産を含めて100億円を売り上げたい考えだ。

【神奈川新聞】


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