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小3でゲーム考案「将来は世界に」 15歳社長の挑戦・米山維斗さん(相模原)

経済 神奈川新聞  2014年08月18日 15:02

韓国から来た子どもたちに遊び方を英語で伝える米山さん(中央奥)=横浜市神奈川区
韓国から来た子どもたちに遊び方を英語で伝える米山さん(中央奥)=横浜市神奈川区

15歳にして「代表取締役社長」の肩書を背負う少年がいる。筑波大学付属駒場中学3年の米山維斗(ゆいと)さん。自身が考案したカードゲームを製造・販売する会社「ケミストリー・クエスト」(相模原市緑区)を率いる。小学6年生での設立以来、約8万5千部を売り上げた。新進気鋭の創業社長は、世界を視野に捉えている。

「おーっ!」「ああー!」。8月上旬の午前、横浜市神奈川区の会場に、韓国から来日した子どもたちの歓声が響いた。熱中しているのはカードゲーム「ケミストリークエスト」、略して「ケミクエ」だ。

知識がなくても、原子の結合を楽しく学べるという。窒素(N)、酸素(O)、炭素(C)、水素(H)の四つの元素記号が書かれたカードを基に、相手と競い合いながら、二酸化炭素(CO2)や過酸化水素(H2O2)といった分子を作る。最終的に、たくさんのカードを得た人の勝ちとなる。

米山さんが流ちょうな英語で遊び方を説明すると、子どもたちは一気に熱を帯びた。「化学の世界はどこに行っても共通。こうしてたくさんの人に楽しんでいただけることが誇り」と話す口調は落ち着き払っている。

考案したのは小学生3年生の時。「市販のゲームが学校に持ち込めないのなら作ってしまえ」と一念発起したのがきっかけだ。仲間内でたちまち話題になり、2011年に会社を設立、取締役社長に就任した。

進化の歩みは止めない。iPad(アイパッド)などで遊べるアプリ版のほか、今年6月には入門版も制作した。親しみやすいデザインや平仮名書きを取り入れるなど、デザイナーと何度も調整を重ねながら工夫を凝らした。

「商品である以上、売れないといけない。商品を出して終わり、では会社をつくった意味がない。続けていくことの大切さを示したかった」。今年5月には15歳の誕生日を迎え、代表取締役社長になった。父康さん(50)に頼る面もあるが、経営者としての目は鋭さを増す。

各地での講演会やトークイベントなど、夏休みも引っ張りだこの日々を送る。子どもの理科離れが叫ばれる昨今だが、「大人がそういう状態にさせている。勉強を押し付けるのではなく、楽しめる、好きになることが重要」。ゲームを通じて、伝えたいメッセージだ。

累計10万部の売り上げを目指す会社の成長、「ゆくゆくは世界大会を」というゲームへの愛着。それはもちろんなのだが、韓国の子どもたちから将来の夢を尋ねられた時、「研究者」と答えた。

「何を研究するかは決まっていない。一つのことをとことん突き詰めていく。そんな人になれたら」。将来性豊かな若き社長は、新たな“化学反応”の場を求めている。

【神奈川新聞】


米山維斗さん(左)
米山維斗さん(左)

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