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【社説】大和市教育長辞職 まず説明責任を果たせ

社会 神奈川新聞  2014年08月18日 09:31

部下の女性によるパワーハラスメントを助長した上、調査を妨害したとして大和市教育委員会の教育長が辞職した。教育行政の事実上トップの不祥事がなぜ起きたのか、説明責任が果たされていない。

女性はスクールソーシャルワーカー(SSW)=解職=で2012年度以降、同僚に対して大声を出したり、無視するなどの不適切な行為を繰り返していた。教育長は実態を把握しながらも容認、被害の訴えに対して行われた調査で女性への聞き取りを止めさせたとされる。

また、教育長は非常勤特別職の女性に残業代などの名目で現金数十万円を私的に渡した。当時の教育部長ら幹部2人にも10万円ずつ払うように指示したため、自身のパワハラ行為の疑惑も取り沙汰されている。

ことし6月、職員による内部告発で再調査が始まり表面化した。パワハラ行為による被害者は14人に上り、退職者も出ている。これだけの被害を出すまでに至った責任は大きいと言わざるを得ない。

教育長は減給の懲戒処分が下された際の記者会見に出席せず、市庁舎を立ち去ったという。あまりにも無責任な態度ではないか。私費とはいえ現金の授受は不可解で、自ら経緯を説明するのが当然といえよう。

再発防止策を考える上では事実解明が欠かせない。一般にトップが直接関与した不祥事の場合、身内の調査には限界がある。第三者を入れた調査組織の設置を求めたい。

SSWは学校現場に社会福祉の視点を取り入れるため、08年度以降、国の後押しで各自治体への配置が進んでいる。関係機関や地域との連携強化を担うだけに、教育と福祉双方の専門性を有する人材の養成・確保が課題になっている。

同市教委では定員3人のSSWが採用され、学校現場を訪れて相談・支援業務に従事している。女性はパワハラ行為を認めていないようだが、職場の混乱によって本来求められるいじめや不登校、暴力行為などの解決に支障が出なかったのか、気掛かりである。この点もしっかりと調査するべきだ。

夏休み中だが、学校現場や保護者らに動揺が広がっている。市長の任命責任を問う声も聞かれ、市議会9月定例会で追及する動きが出ている。教委改革による新教育長の権限強化を控えているだけに、議論を尽くしてもらいたい。

【神奈川新聞】


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