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オスプレイの転換モード制限 「12年合意」を全国適用

社会 神奈川新聞  2014年08月18日 03:00

米軍の新型輸送機オスプレイが18日、米海軍厚木基地(大和、綾瀬市)への3回目の飛来を予定している。県内上空では前回飛来時の7月18日に、事故の危険性が指摘される「転換モード」で長時間飛行していた、との複数の目撃情報があった。防衛省は神奈川新聞社の取材に「転換モードで飛行する時間をできる限り限定する」との2012年9月の日米合同委員会合意は、厚木基地をはじめ今後展開が予定される全国の基地に「適用される」と明言した。だが、識者は「罰則のない合意で効力は乏しい。本土の沖縄化を進めないためにも、違反の事実を自治体や住民が突き付ける取り組みが重要」と指摘している。

オスプレイの沖縄・普天間飛行場配備を目前にした日米合意では、オスプレイの運用に関し、▽ほとんどの時間を固定翼モードで飛行▽運用上、必要な場合を除き、米軍の施設および区域内でのみ垂直離着陸(ヘリ)モードで飛行-と規定。その上で、ヘリモードへ移行するための「転換モード」での飛行を極力限定する、としている。防衛省は、この規定について「特定の施設、区域が明示されていない限り、日本国内のオスプレイの飛行運用に適用される」と答えた。

一方で、昨年7月に米軍が普天間飛行場への着陸に関し、「降下のため約4カイリ(約8キロ)手前で転換モードにして減速を開始する必要がある」と国や沖縄県に説明していることに関しては、同省は「米軍の運用上のこと」としか答えなかった。

7月18日に厚木基地から8キロ以上離れた上空で、固定翼モードでない状態で飛行するオスプレイの目撃情報があったとの指摘についても「日米合意には『運用上、必要な場合を除き』との文言がある。当該合意に基づき運用されていると理解している」と、問題視しない考えを示した。

米軍基地問題に詳しい沖縄国際大の前泊博盛教授は、「オスプレイの性能上、転換モードで市街地上空を飛ばないのは無理で、合意そのものが机上の空論。沖縄でもなし崩しにされており、米軍も日本政府も最初から合意を守れると思っていない」と指摘。合意に罰則規定がない点を強調し、「自治体が声を上げ、違反したら飛行停止などの罰則を科すことを求め続けるべきだ」と訴えた。

日米両政府は沖縄県に集中する基地負担軽減のため、オスプレイの同県外への訓練移転を進める方針。だが、前泊教授は「『沖縄の負担軽減』という言葉で日本国民を思考停止にさせ、本土の沖縄化が進められている。沖縄の負担軽減にもつながらず、このままでは首都上空を米軍機が飛び交うようなことになりかねない」と話している。

【神奈川新聞】


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