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除草ヤギ活用広がる 騒音なく斜面も得意、横浜の企業がシステム特許

話題 神奈川新聞  2014年08月17日 03:00

「除草ヤギ」とふれあう学生たち=明治学院大学横浜キャンパス
「除草ヤギ」とふれあう学生たち=明治学院大学横浜キャンパス

雑草を食べる「除草ヤギ」の活用が、大学や団地などで広がっている。草刈り機から発生する二酸化炭素(CO2)や騒音、廃棄物がなくなり、環境に配慮できるのが強みだ。住民の交流といった除草にとどまらない効果も生み出している。

学生に交じって3頭のヤギがキャンパスを歩き、草を食べている。「かわいい」と声が上がるが、実は任務遂行中である。

明治学院大学横浜キャンパス(横浜市戸塚区)では今春から、「除草ヤギ」が活躍している。同キャンパスは約20万平方メートルのうち5割が緑地。3頭は場所を転々としながら除草任務を続けている。

費用は機械を使った除草とあまり変わらない。フンはほとんど臭いがなくすぐ土に返るため、路面にはみ出た場合だけ掃除する。

ヤギを派遣しているのは、斜面地の緑化工法などを扱うアルファグリーン(同市中区)。緑化だけでなく、人の手による草刈りが難しい急斜面の除草について、羊や牛など動物の活用を試行錯誤してきた。結果、斜面歩行が得意なヤギに行き着いた。

ヤギは外来種の雑草「セイタカアワダチソウ」などを1日5~6キロ食べる。同社は現場の植生や地形などから除草にかかる日数を算定するシステムを独自開発し、2012年に特許を取得。同社の技術を使ってヤギが活躍する現場は、東北から九州まで約50カ所に上るという。

代表取締役の池崎真さんは「環境に優しいシステムなので、CSR(企業の社会的責任)の宣伝にも役立っていると好評です」と話す。

「除草ヤギ」は、学生や地域住民の交流にも一役買っている。明学大の3頭はたちまち学生や教職員の人気者となり、5月の学園祭で開かれた「ヤギとのふれあい会」には5時間で約300人の地域住民らが訪れ、にぎわった。

学生有志による世話ボランティアも発足し、10人が体調チェックや路面の清掃などを交代で行っている。「ヤギは人間に懐かないと思っていたけど、今では呼んだら来てくれるようになった」と文学部1年の古屋ひかりさん(18)。同大横浜管理部の望月幸光部長は「今後も地域の子どもの環境学習の題材になるなど多方面で活躍してほしい」と期待を寄せる。

UR都市機構(同市中区)は昨年、団地への導入を始めた。第1号となった町田山崎団地(東京都町田市)では、ヤギの様子を見渡せる歩道橋の上に住民が集まり、「かわいらしいね」などと言葉を交わすようになった。高齢者の中には「腰が重くて家にこもって過ごす日が多かったけど、ヤギを見るのが楽しみで、最近はよく外出する」と話す人もいたという。

除草作業がない冬場の前には「ヤギが帰ってしまうのが寂しいです。もっといて」と橋に手紙が張り付けられていたほど。反響に応え、今春再びヤギを派遣すると、子どもらによる歓迎会が開かれた。

同機構は今年、派遣を計3団地に拡大。担当者は「住民も好意的。今後どう広めていくか考えている」と話している。

【神奈川新聞】


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