1. ホーム
  2. 社会
  3. 語り継ぐ戦後69年:引き揚げ船の悲劇伝えるパネル展 横須賀

語り継ぐ戦後69年:引き揚げ船の悲劇伝えるパネル展 横須賀

社会 神奈川新聞  2014年08月16日 10:31

引き揚げ者の家族などから寄贈された(左から)ゴーグル、飯ごう、水筒、コートなどを手にする主催団体のメンバー=横須賀市東浦賀
引き揚げ者の家族などから寄贈された(左から)ゴーグル、飯ごう、水筒、コートなどを手にする主催団体のメンバー=横須賀市東浦賀

故郷を目前にしながら多くの人がコレラなどで命を落とした引き揚げ船の悲劇を伝えるパネル展が終戦の日の15日、横須賀市東浦賀のギャラリー時舟で始まった。貴重な記録写真の掲示や映像資料の上映などにより「戦後史の空白」に光を当てた企画。12年前に開催した写真展を機に、引き揚げ者の遺族らから寄贈されたコートや飯ごうなども公開している。

浦賀の地域史を研究している市民グループ「中島三郎助と遊ぶ会」の主催。展示されている写真の大半は、駐留部隊撮影の記録写真を米国から買い集めた。引き揚げ船として最初に浦賀へ入港した氷川丸(1945年10月)をはじめ、46年にコレラが発生して以降の船内の状況、骨と皮だけのようにやせ細った患者の姿、重症患者を背負って搬送する若い看護婦や、診療、消毒などの様子を収めている。

救護活動のため戦後に看護婦へ出された戦時召集状、久里浜の寺院に今も安置されている引き揚げ船関連無縁仏の骨つぼなど、戦後の混乱や戦争の罪深さを現在進行形で伝える写真も掲示している。

上映している映像は、引き揚げ船内の様子を写したフィルムや関係者の証言をまとめて編集した主催団体の自主制作DVD。パネル展は、16、17、23日の午前11時から午後5時半までで無料公開している。

会場でDVDを鑑賞後に購入した同市浦上台の主婦(66)は「浦賀に引き揚げ船が来ていたことは知っていたが、コレラや防疫のことは知らなかった。何人かで集まるときに、DVDを見せようかと思います」と話していた。

【神奈川新聞】


シェアする