1. ホーム
  2. 社会
  3. 「規制」に揺れる逗子・鎌倉海水浴場 客の“すみ分け”定着

「規制」に揺れる逗子・鎌倉海水浴場 客の“すみ分け”定着

社会 神奈川新聞  2014年08月15日 03:00

若者らでにぎわう鎌倉・由比ガ浜海水浴場。入れ墨を露出させたままの客もいた=13日
若者らでにぎわう鎌倉・由比ガ浜海水浴場。入れ墨を露出させたままの客もいた=13日

お盆を迎え、湘南の海水浴場もにぎわっている。音楽禁止など厳しい規制を敷いた逗子では家族連れや10代が目立ち、規制しつつライブイベントなどを認めている鎌倉の海水浴場には飲酒や音楽を求めた若者が集まっており、客の“すみ分け”が定着しつつある。昨夏大きな問題となった海の家の「クラブ化」は見られないが、規制の周知が十分でないケースや、規制をすり抜けて開かれたイベントもあるなど、運用面での課題も見え始めている。

「海に来るのなんて何年ぶりだろう。地元に住んでいるのに」。お盆入りした13日、逗子市小坪の女性会社員(40)は、2歳になる双子の男児と訪れた。ひ孫の男児(9)と来た同市桜山の女性(88)は「すごく静かになった。今年はよいなあ」。今夏の逗子海水浴場では、こうした家族連れが目立つ。

学生の姿も多い。都内から友人と来た大学1年の女子学生(18)は「逗子は安全だと聞いた。きょう怖かったのはクラゲぐらい」と笑った。

「正直、ここまで客層が変わるとは思わなかった」。営業時間短縮なども盛り込まれた市の条例・規則に反発してきた海の家側からも、驚きの声が上がる。来場者数は半減しているが、日没後には浜辺にほとんど人がいなくなり、市民も治安や風紀は昨夏より改善されたと実感する。

一方で、禁止されている酒類の持ち込みは徹底されていない。ごみ箱にはビールなどの缶や瓶が大量に捨てられている。

平井竜一市長は「昨夏相次いだ暴飲、迷惑行為、救急搬送はなくなった」と強調しつつ、「条例・規則を施行する立場として注意・指導を徹底したい」とさらに周知を進めると話す。

一方の鎌倉。最もにぎわう由比ガ浜海水浴場では13日、20~30代の男女がひしめくようにパラソルを広げ、持ち込んだプレーヤーで音楽を流していた。

「お日様の下で飲むのがいいの」と、横浜市西区から来た女性会社員(24)。逗子に比べ規制の緩やかな鎌倉を選んだ都内の飲食店従業員の男性(33)も「海は自由な方がいい」と缶ビールを掲げた。

鎌倉の3海水浴場では今夏、入れ墨の露出や80デシベル以上の音楽などが迷惑行為と位置付けられた。違反者には鎌倉市が注意するが、努力義務にとどまることもあってか、入れ墨を見せたままビーチを歩く海水浴客の姿も見られる。泥酔者もおり、昨夏に比べ状況が大きく改善されたとはいえないのが実情だ。

市は今夏、海の家から離れた海水浴場の一角に家族連れ向けの「キッズ&ファミリービーチ」を設けた。家族と愛知県から来た男性会社員(38)は「向こうには近寄りにくい。ここは安全」と話した。

事前審査制にした海の家でのライブイベントでは、「イベントは屋内のみで実施する」とする市海浜組合連合会の自主ルールと異なるケースも。組合は今月初旬、屋外でライブを開いた。「事前審査も通っており、客へのサービス。音量も80デシベルは超えていない」と正当性を強調する。

松尾崇市長は規制の運用について「これで100点とは思っていない。来年に向けた検討をしていきたい」と話している。

【神奈川新聞】


逗子海水浴場出入り口に置かれたごみ箱。酒類の空き缶が目立つ=13日
逗子海水浴場出入り口に置かれたごみ箱。酒類の空き缶が目立つ=13日

シェアする