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アオウミガメ 人工繁殖から自然界に 放流個体を長期観察/新江ノ島水族館

社会 神奈川新聞  2014年08月13日 03:00

黒島で放流され、海中を泳ぐアオウミガメ。左前肢の付け根に取り付けられているのが標識(新江ノ島水族館提供)
黒島で放流され、海中を泳ぐアオウミガメ。左前肢の付け根に取り付けられているのが標識(新江ノ島水族館提供)

人工繁殖させたアオウミガメを自然界に戻す研究に、新江ノ島水族館(藤沢市)が乗り出した。7月中旬には、館内で昨年初めて誕生した子ガメに標識とマイクロチップを取り付け、沖縄・八重山諸島の黒島で放流。成長の過程を長期間にわたって観察していく。

研究は、NPO法人「日本ウミガメ協議会」(大阪府枚方市)や同協議会付属黒島研究所と共同で実施する。人工繁殖で育ったアオウミガメを計画的・効率的に野生復帰させるため、課題や手法を探ることが目的だ。

放流した個体の観察が中心となるが、取り付けた標識は個体を識別するためのもの。衛星利用測位システム(GPS)を用いた追跡機能はなく、地元のダイバーや漁師らの目撃証言を基に成長を見守っていく。

研究に取り組む契機は昨秋、館内で飼育しているペアから初めて45匹の子ガメが誕生したことだった。研究用としてこのうち34匹を提供。DNA鑑定で子ガメの祖先の出身地を八重山諸島と特定し、放流場所に選んだ。

同水族館によると、国内でアオウミガメを人工繁殖させている水族館は5施設ほどしかない。放流された例も限られ、そもそも人工繁殖の個体が自然界でどの程度生き延びることができるのかも不明という。

通常は生まれ故郷の海域に戻って行うとされる繁殖行動も、焦点の一つだ。水族館で生まれ育った個体が放流先の浜辺で産卵するのか、未知数という。

元気に成長し産卵するようになるまで30~40年かかるとみられるが、同水族館の担当者は「最新の情報を仕入れながら、地道に手探りでやっていきたい」と話している。

◆アオウミガメ 熱帯・亜熱帯にかけて分布。成体は甲羅の長さ1メートル、体重150キロほどになる。国内の繁殖地は主に小笠原諸島と沖縄の2カ所。相模湾にも餌を求めて回遊してくるが、砂浜に揚がって産卵することはない。アカウミガメは相模湾の砂浜でも繁殖している。

【神奈川新聞】


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